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飴村さんに連れられパンケーキを食べに行った
パンケーキは確かに美味しいが話が気になって味がわからない。
この人は美味しそうに食べるな。
んー、可愛い。
敵に向かって言うことではないけど、可愛い。
「兄ちゃんは何故辞めたんですか?」
乱数「タメ口でいいよ?
ラップってそれぞれ力が違うんだよね。
攻撃とか、回復とか種類があるんだよ。
攻撃にも種類があって、四肢を麻痺させたりするのが一般的かな。けど、キミのお兄さんは五感に影響を与えたの。
わかるかな?
四肢が麻痺するより辛い五感を失うこと。
1度やられたら回復はなかなか出来ないし、五感がなくなることへの恐怖で精神もやられる。
力が強すぎたんだよ。
強すぎる力に自分でも驚いてた。
この力を使い続けてもいいのかなって。
そうして悩んで、結果的にラップを辞めちゃった。
僕とのラップの相性は良かったんだよね。
無くなってく五感、けど何かは見える。
そうすると それに縋っちゃうじゃん。
幻覚だって気づかずに。
」
僕の知らない兄ちゃん。
五感を奪う。
そんな力があったのか。
マイクの力もあるだろうけど、本人のラップが上手かったのか。
僕がマイクを使えばどんな影響が出るのか。
兄ちゃんとは違う力なのか。
近いものなのか。
「ありがとう。
ねぇ、そう言えばラップバトルをして最終的に何を求めてるの?他のdivisionに勝っても中王区は倒せない。」
乱数「どうだろうね。
中王区を倒したいのかな。皆は。」
一瞬顔を曇らせた。
皆は とはなんだ。
この人は違うのか?
「目的が同じなら争う必要はないんじゃないの?
中王区を倒したいならマイク持って団結すればいい。けど、そうしない理由でもあるってこと?」
乱数「うん。
そうだね。
僕達がやり直す気がないからさ。
元TDDは。」
元TDDってお子ちゃま?
敵が同じなら仲悪くても一時休戦して団結するんじゃないの?え?
乱数「僕からも聞くね。
キミはさ、女の子じゃん。中王区に行こうと思ったことは無いの?」
「ない。僕、女は、男はって区別するのが嫌いなんだよね。世の中には女と男しかいない訳では無いじゃん。配慮の欠けらも無い世界だよね。
わざわざ壁の中で暮らす気もないよ。
縛られたくないし。」
乱数「そっか〜。じゃあ、ラップ初めてみたら〜?
マイク持ってるしさ?ラップするのは野蛮な男だけじゃない!って証明してみなよ!」
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萩 - 続き楽しみです! (2020年4月18日 10時) (レス) id: 28ee4bfc20 (このIDを非表示/違反報告)
kazumi(プロフ) - お話読みました!続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年4月29日 18時) (レス) id: ca051315e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼方 | 作成日時:2018年10月10日 23時