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宮治Side
「お前最近なんなん?情緒不安定か!」
げしっと同じ顔の背中を蹴るとぎろりと睨まれる。
今日も帰って来ていきなり机の上にノートやらなんやらぶちまけたり、かと思えばいきなり落ち込んだかのようにうずくまったり。
ホンマなんやねんこいつ。
「北さんが……」
「北さん?」
明後日の方角を見ながらそう言ったツムに珍しく戸惑いつつも話を聞くことにする。
「野口の頭めっちゃ撫でるんやけど……」
「あぁ、あの子ね」
野口A。
ツムと同じクラスでちょっと変わった女の子。
最近ツムとよく話しているようだが会話というよりは言い合いという方が正しい。
そんな野口はここ最近のツムとの会話の際にによく出ている子だ。
この前初めて会うたけどやっぱりちょっと変わっていた。
「撫でる必要あれへんと思わん?」
「ツムも撫でたらええんとちゃうん?」
「ばっ、なんで俺が撫でなあかんねん!!」
「え、北さんが撫でてるの見てお前もやりたなったんとちゃうん?」
「そ、そんな訳あれへん!!!」
本人に全く自覚はないが、多分コイツ野口さんの事気になってるんか、もう既に好きなんやと思う。
ガキによくいる好きな子を苛めるタイプ、それがコイツや。
アホやからすぐ女の子泣かすし。
自分には靡かんと北さん北さん言うから余計気に食わんのやろ。
特に野口さんはあまり媚びないタイプというか、ツムに寄ってくる女とは全く別のタイプやから気になってんやろうなぁ。
まだグチグチと何か言っているツムに段々と腹が立ってきた。
あかん、俺が情緒不安定になってしまうやろ。
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作者名:Ryu | 作成日時:2020年7月9日 13時