何億分の一青×緑その２ (ページ5)

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何億分の一 54 ページ5

「なんなん！！あれ！！」

「まぁまぁ照史そう怒るなって、流星やってともと二人になりたくてしかたなかったんやろ？」

「それにしたって酷ない淳太くん？俺なんもしとらんのにぃ」

「二人の恋路の邪魔しようとしたろ？」

「うぉ～ん」

漫才みたいな二人のやりとりは置いておいて…ほんまに流星の過保護っぷりには笑かしてもらっとるわ。

あのクールな流星が顔を作っとる暇もないねんな。

神ちゃんの時とは全然違うな…ホンマオモロいわ。

「んまっ…」

幸せそうな顔して唐揚げを頬張っている姿はホンマに可愛えな。

「もっと食べるか？」

ニコニコしながら頷かれるといくらでも与えたくなるわ。
周りからみたらきっと餌付けにしか見えへんのやろうけどな。

「でも…よかったんかな？照史くんたち」

ゴクンと飲み込むと少しだけ首を傾げて聞いてくる…気にしてるんやろうなさっきの事…けど今日は譲れんよ。

「ええの！俺が今日はともを独り占めしたかったんやから」

「…そ…そうなんや」

「それよりドラマやって…凄いなぁとも」

「凄いのは僕ちゃうよ！神ちゃんやろ？」

「ここ最近はとものがんばりやろ？十分自慢できると思うで」

「…え…と、そうかな」

くしゃって少しだけ困ったように笑うと照れたようにグラスに手を伸ばす…そんな仕草にだって俺はメロメロや。

「こんな事言うんは贅沢かもしれないんやけど…最近たまぁに不安になるんや」

「…なんで？とも順調やん」

「ちゃうで流星さん…順調なのは神ちゃんやねん」

「…あ」

「もし…今神ちゃんが戻ってきたら僕はきっとここに居れんくなるから…寂しいな…って」

「…とも」

「けどな…そんな事考えてしまうのは今が楽し過ぎるからやねん…ごめんな流星さん、なんか湿っぽくなってしまっ…わ」

「あんまり寂しいこと言わんで…」

思わず抱きしめていた…。

このまま…ともが消えてしまうんじゃないかって思えて。

「りゅ…せいさん」

まさか、こんなに好きになるなんて思わなかった。

「なぁ…なんもしないって約束するから」

「…え？なんやの？」

「今日…俺の家に泊まりにきてくれへん？」

ああ…まぁるい瞳がいっそう大きくなって揺れた。

自分でも卑怯な手やなぁ…って言うのは重々承知や。

「しゃあないなぁ…」

答えなんてわかってる…けどこんな時は側に居てあげたいやろ。

恋人なんやから…。