何億分の一 55 ページ6
「…はぁ」
なんなんだろ…目が覚めると隣に絶世の美形が寝ていて…なんて言うのは、どっかのハーレクイン小説とか恋愛映画とかの中の話だけかと思っていたのに。
今朝起きて隣を見たらそれが本当になっていて、ホンマにびびったわ。
流星さんは約束通りなにも手を出してこなかった…おやすみのキスをしてその後優しく抱きしめてくれてふたり同じベッドで眠るだけ。
自分から言ったくせになんだか物足りなくて寂しいと感じてしまうあたりだめだなぁ。
せめてコーヒーでも入れようとそっと抜け出そうとした途端腰に絡んでくる腕。
「…ちょっ…流星さん」
「ん…おはよ」
「はよ…ございます」
ホンマにイケメンには叶わんわ…だってそこに居るだけでキラキラしとるし。
「もうちょっと…寝よ」
「けど、時間…」
「平気やって…俺今日オフやもん」
「僕…今日顔合わせなんで…えっ」
ガバッと急に起き出して僕よりも早く支度をはじめた流星さん…いったいどうなっとるの?
「あ…あの」
「うん、ともも早う支度しいや遅れたらアカンやろ…ともを遅刻させるわけにはいかんからな」
ああ…そういう事。
嬉しくなって頷けば頭の上にポンポンと優しい掌の感触があった。
「…で、なんで流星さんまでここに居るんですか?」
「とものことが心配だから」
今は次のドラマの現場…けど、隣にいるのは流星さん…なんで来てるんやろ。
「おお!来たな神山!」
「あっ!おはようございます今日はよろしくお願いします」
のんびりとした空気を纏って現れたのは大先輩『松岡くん』今回のドラマの主役。
僕がこのドラマに出ることになったのはこの松岡くんが指名してくれたからやってさっきスタッフさんが教えてくれた。
「あ…あの、この度は僕をご指名してくださったそうで…ありがとうございました!」
勢いよく頭を下げると思い切り吹き出された。
「お前なぁ…ホストクラブじゃねぇんだから…ホント生真面目っていうか…可愛いよなぁ…育てがいあるってもんだよ」
「あ!はい、必ずや松岡くんの期待に応えられるように育ちます!」
僕は真面目に返事をしとるのに、目の前でヒーヒー笑い転げている松岡くん…僕…何かしくった?
「まぁお手柔らかに頼むわ…そっちの藤井は保護者かな?」
「あ…おはようございます、一応最初の顔合わせなんで付き添いです、こいつ事故の影響で記憶が飛び飛びなとこあるんで」
流星さんの言葉に松岡くんは顎がはずれたんじゃないかっていうくらいおっきな口をあけてたっけ。
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作者名:rik | 作成日時:2019年11月17日 18時