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恋の試練 6 ページ16

緑「危ない中間先輩!」

僕の伸ばした手も虚しく…ドンって鈍い音がして、高い芝生の上から崩れ落ちるように中間先輩が転げ落ちた。

緑「先輩!」

僕が駆け寄るより先に桐山先輩がすっ飛んで来て中間先輩を抱き起こした。

橙「淳太くん!」

けれど、気を失ってしまっている中間先輩の意識は戻らない。

橙「医者…とりあえず医務室や」

緑「中間先輩!」


『桐山!俺見てたぞ、そいつが淳太を突き落とした所』



橙「…え?」

途端に桐山先輩の目付きが鋭くなった。

緑「ち、違います…僕…何も」

『言い逃れするなや、お前淳太に嫉妬して突き飛ばしたんやな!』

緑「ちゃいます!」

桐山先輩の隣にいる人がもの凄い顔で僕を非難する。

違う…違うのに…僕、何もしとらんのに。


橙「ええから!淳太くんが先や…神ちゃん」

緑「…あ、はい」



橙「俺な…淳太くんが一番大事やねん…やから、例え神ちゃんでも淳太くんを傷つける奴は許さへんから」

緑「きりや…」


僕に厳しい表情を残して、桐山先輩たちは去ってしまった。


緑「…なんで」

へなへなとその場に座り込む。


涙は自然に流れてきた。


緑「僕…なんもしてへんのに…なんで…桐山先輩…なんで僕の事信じてくれへんの…ふっ」


膝を抱え…顔を膝に埋めるようにして泣いた…。


中間先輩を一番と言ったことよりも、信じて貰えないことが悲しかった。


……なんでなん…ぼく…そんな奴に見えるん?


なぁ、桐山先輩…。


ひとりぼっちで暫くその場で小さくなって泣いた…。








『なぁ…どしたん?自分…お腹でも痛いか?』

不意に頭の上から降ってきた優しい声。

『医務室連れてったろうか?』

緑「…い、行きたくない」

医務室になんていくもんか…。


『お!しゃべれるやん』


緑「はなせやふよ!」


人懐こい笑顔で僕の鼻先を摘む。


『あは、あはは!目も鼻も真っ赤でウサギみたいやな』


そう言って大笑いした。



緑「笑わんでください…人が真剣に悩ん…ぅん」



顔を上げた所で唇に柔らかい感触…えっ?これって…まさかの。


『自分可愛ええ顔しとるなぁ?めっちゃ好みやん』


緑「な、んで…キス」


混乱して何を言ってるのか自分でも分からない…。


『したかったからやん?なぁお前付き合ってる人とか居る?』

ふるふると首を横に振った。

付き合ってるも何も、今…多分失恋しましたけど…なにか?


『ラッキーやわぁ、なぁ俺と付き合いひん?』


この人は何を言っとるの?今、会ったばかりなんやけど…。


『なぁ…ええやろ?』



僕の返事を待たずに、再び唇が重ねられた。

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rik(プロフ) - 流智LOVE(智洋にデレ期?!)さん» コメントありがとうございます!ツィ見れないって方何名かいらっしゃったみたいなのでこちらに移行させようかなと思います!ちょっと、待っててください!因みにかみしげじゃなくてりゅかみでした(´・×・`) (2019年10月4日 20時) (レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
流智LOVE(智洋にデレ期?!) - はじめまして!あの私Twitter見れないんです(T_T)なのでぜひこちらに移してほしいです!これからも頑張ってください! (2019年10月4日 17時) (レス) id: db4b56f1e4 (このIDを非表示/違反報告)
rik(プロフ) - ほのかさん» うわゎ!あ、ありがとうございます!!!ほんとにこんなケアレスミス…お恥ずかしい。言ってくださって良かったです!どんな羞恥ぷれいかと…。懲りずにこれからもよろしくおねがいしますねー。 (2018年1月2日 15時) (レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
ほのか - おせっかいだったらすみません・・・「遅れてきたサンタクロース」の部分のお話が9ではなく10になってしまっていますよ。 これからも更新頑張ってくださいね! (2018年1月2日 15時) (レス) id: da2d0b67d7 (このIDを非表示/違反報告)
rik(プロフ) - いつも読んでくださってありがとうございます。マイページの設定の所の一番下の所から年齢確認をして頂くと出てくると思います。よろしくお願いします。 (2017年10月8日 14時) (レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:rik | 作成日時:2017年9月29日 15時

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