56 ページ17
隣に座った流星は珍しく居眠りもせずに授業を受けていた。
チャイムが鳴り授業も終わり、ペンケースに物を押し込んでいた僕の手に乗せられた流星の手。
緑「え？」
驚いて顔を上げると少し眉根を寄せた切なそうな流星の顔。
青「お茶のみに行かへん？」
のんびりとした口調で話しかけてくる流星はあの日のままで…涙が出そうになった。
緑「僕でええの？」
無言で頷く流星に涙を我慢して微笑んだ。
緑「今、僕がバイトしてる店行かへん？」
流星にも照史くんを紹介したいなって思ったから…だから誘った。
青「落ち着いててええ店やね」
緑「おん、めっちゃ気に入っとるよ」
向かい合って座ると、まるで時が戻っていくようだった。
久しぶりに正面からみた流星の顔は、とても綺麗で凄く大人っぽかった。
……こんなに格好良かったんや。
青「神ちゃん…あんな、俺は友達としてやったら今まで通り付き合って貰えるんかな？」
緑「…え？」
青「俺は恋愛対象としても、友達としても神ちゃんの事が好きやから」
緑「それって、僕…めっちゃ卑怯やない？流星の事利用してるみたいで」
流星と一緒にいるのは楽しいし、むしろ一緒にいたい。
けど、好きになれない…なんて言ったのに…。
青「神ちゃん…友達として、俺の事好き？」
緑「…おん、それは好きや」
青「なら、ええやん」
あ…流星が…今日…初めて昔みたいな笑顔を見せた。
やっぱり…綺麗だ…。
コトリ…って僕たちの目の前に新しい珈琲が置かれた。
緑「照史くん」
橙「奢りやで…ええ友達やん、神ちゃん」
緑「…おん、ええ友達すぎて…僕には勿体ない…くらいや」
言いながら涙が出た…ほんまにここに連れてきて正解…照史くんが僕と流星の心の蟠りを解いてくれた。
その後、照史くんも交えて三人でくだらない話に花を咲かせた。
僕の生活もだんだんと日常を取り戻し、淳太くんとの事も過去の恋愛話になりつつあった。
青「なんや神ちゃん…今日顔色悪いなぁ」
緑「あ…昨日ちょっと無理したかな？睡眠不足やねん」
青「眠れない…？とかじゃないやんな？」
緑「…そ…かな？あ、でも勉強しとるからやで、悩んどる理由やない…わっ…と」
机に手を付いたつもりがバランスをくずして流星の腕に抱きとめられた。
青「…軽っ…なに？また痩せたん？」
緑「痩せとらんてー平気やって」
青「心配やから送ってったるわ」
緑「…ごめんなぁ」
結局、流星の車でアパートまで送って貰った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 398人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
rik(プロフ) - ペンギンさん» ありがとうございます！なんか詰め合わせ行けという人が多かったのでそちらに行かせてもらいますね…ぬるい昼顔みたいなもんですが(･∀･) (2017年7月18日 0時) (
レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン(プロフ) - 流星くんかっこいいです(はぁと) 濁さず詰め合わせにいってほしいです！ (2017年7月17日 3時) (レス) id: 17c27466bb (このIDを非表示/違反報告)
キャラパリポーズナ - rikさん» 短編集とかでリクエスト受付てくれているところだと瞬時に神ちゃん受けリクエストしちゃうんです… (2017年6月19日 22時) (レス) id: 88cef23244 (このIDを非表示/違反報告)
rik(プロフ) - キャラパリポーズナさん» ですよね…。あれば真っ先に読み手にまわって自分書かないんですけど、ないから書いてます (2017年6月19日 0時) (レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
rik(プロフ) - 梨神さん» わぁ！ありがとうございます。ちょい大人向けのきゅんですが、気に入って頂けて嬉しいです！更新がんばりますね！！ (2017年6月19日 0時) (レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：rik
| 作成日時：2017年5月27日 20時
