52 ページ13
緑「のんちゃん、もう謝らんで…僕達にはどうしようもない大人の事情ってものもあるんやから」
平謝りの、のんちゃんに顔を上げさせた。
のんちゃんが悪いわけやない…淳太くんも悪くない。
誰も責められるべきじゃない…。
この想いは吐き出し口もないけれど、もう…僕たちの力ではどうにも出来ない所まで来てるって事だけは分かっているから…。
何か…大きな力で動かされている。
仕方がないんや…欲しいものを欲しいって言って、ただを捏ねるほど子供ではないんや。
せやったら…もう、前を向くしかないやん…。
昔から…僕の…望みなんて叶った事なんてないんやから。
緑「のんちゃん…僕ならもう大丈夫やから…それよりなバイト探さないとアカンねん、僕…苦学生やねんで、忘れとるかもしれんけど」
あ…と言う顔をする二人…そうやろな、二人はええ所のボンボンやもんな。
桃「あ、神ちゃん…家でバイトせえへん?」
緑「クラブとかは行かへんよ、自分が遊びたなるもん」
桃「違うねん、俺のとこ外食産業もやっとんねんけど新しくカフェをオープンしたんや…隠れ家みたいなコンセプトの店やねんけど、メッチャ静かな店やねんで、いまマスターしか居らへんのやからそこでバイトせえへん?」
緑「へぇ…」
のんちゃんのくれた話はとても興味深い…なにより静かな店と言うのが良い。
桃「神ちゃんさえよければ、話しとくで!」
緑「ええの?」
桃「ええよ、せめてそのくらいさせてや」
すまなそうなのんちゃん…。
緑「じゃお願いしてええ?」
桃「まかしとき」
それでも、謝りながらのんちゃんは帰っていった。
のんちゃんのせいやないのに…。
けど…淳太くんに嫌われたわけやないって分かっただけでも救われた…。
荒んでいた気持ちだって、どっかに行ってしまったみたいや。
まだ…好きでおってもええのかな?
淳太くんの事…。
青「中間センセの事は諦める気なん?」
緑「え?」
青「もう、ええの?」
緑「ええも何も、もうだめやろ?淳太くん結婚するんやし」
じっ…と流星が僕の目を見つめる。
少し茶色がかったビー玉のような綺麗な瞳…見ているだけで吸い込まれそうや。
青「せやったら…俺と付き合わへん?」
緑「……流星と?」
青「嫌?」
瞳は逸らさずに『嫌?』とだけ聞いてくる…。
案外卑怯何やな…流星。
ダメか…?じゃなくて…嫌か?って聞いてくる辺り。
案外…策士なんやね…流星。
398人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
rik(プロフ) - ペンギンさん» ありがとうございます!なんか詰め合わせ行けという人が多かったのでそちらに行かせてもらいますね…ぬるい昼顔みたいなもんですが(・∀・) (2017年7月18日 0時) (レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン(プロフ) - 流星くんかっこいいです(はぁと) 濁さず詰め合わせにいってほしいです! (2017年7月17日 3時) (レス) id: 17c27466bb (このIDを非表示/違反報告)
キャラパリポーズナ - rikさん» 短編集とかでリクエスト受付てくれているところだと瞬時に神ちゃん受けリクエストしちゃうんです… (2017年6月19日 22時) (レス) id: 88cef23244 (このIDを非表示/違反報告)
rik(プロフ) - キャラパリポーズナさん» ですよね…。あれば真っ先に読み手にまわって自分書かないんですけど、ないから書いてます (2017年6月19日 0時) (レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
rik(プロフ) - 梨神さん» わぁ!ありがとうございます。ちょい大人向けのきゅんですが、気に入って頂けて嬉しいです!更新がんばりますね!! (2017年6月19日 0時) (レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:rik | 作成日時:2017年5月27日 20時