記憶98 ページ7
「えっ、水浴び出来るんですか?」
てっきり私はこのまま帰って、学園でお風呂を浴びるしかないのだと思っていた。
「うん、ここは村だから近くに川があると思うんだ」
でも、と言葉を詰まらせる伊作さん。どうしたのだろうか。
「Aちゃん、女の子でしょ? 一緒にってわけにはいかないからさ。だからどうするかなって」
ああ、なるほど。
確かに私達は年頃の男女だ。しかし肌着として腹掛けも着ているし、皆と少し距離を置いていれば大丈夫なのでは。
「特に気にしないので、大丈夫です」
「そこは気にした方がいいよ……」
何はともあれ、すすを落とせるのは助かる。
確認できていないが、顔にもついている可能性が高い。
現に、目の前の伊作さんがそうだ。
鼻筋が黒くなっている。
誰かに言われて擦って落とそうとしたのか、それは横に伸びていた。
私が少し笑うと伊作さんは首を傾げてよく分からないといった顔をする。
「とりあえず、水は浴びるってことだね。皆に伝えてくるよ」
「はい、わざわざありがとうございました」
伊作さんは走って行ってしまった。
暗くなる前に帰るために休憩はあまり長い時間はとらず、すぐに出発となった。
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作者名:小学7年生 | 作成日時:2020年1月13日 19時