空っぽを埋めるモノ３【RKRN】 (ページ46)

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記憶137 ページ46

｢全部話します。伊作さんと食満さんは知ってると思いますが｣

立花さんは他のことには気付いていたが、他人の傷を治すこの力には気づいていなかったため驚いていた。
それは何も知らない三人も同じだ。

｢何から話したもの、やら……｣

突然、貧血に似た症状が襲ってきて地面に膝をつく。

｢Aちゃん！｣

伊作さんが駆け寄って体を支えてくれた。

今まで力を使っても貧血なんて起こしたこと無かったのだが、大きな傷の回復だったからだろうか。
頭というより、脳を締め付けられる感覚に目眩がおさまらない。

｢大丈夫か？｣

｢は、はい。ただの貧血だとおも｣

思います。
そう言いたいのにそこで止まってしまった。

止めたのではなく、止まってしまった。
自分の意思とは関係なくそうなった。
何か喋ろうとするが、声が出せない。
今度は喉を軽く押さえて発声を試みても、声は出せず、喉も震えない。

｢……まさか、声が出ないのか？｣

察したらしい立花さんの言葉に静かに頷く。
みんな驚いた顔をした。
後ろの五年生からも、なぜと言うような声が聞こえた。

｢伊作、留三郎。私の知っている情報を全て話す。お前達の知っていることも教えてくれ｣

二人の了承を確認した立花さんは、私含む全員を集めた。