記憶94 ページ3
視線が一気に私と小平太さんに集まる。
ある予想を私は立てた。
周りの人もそれを疑ったためにこちらを向いたのだと思う。それでなくても、今のはかなりの衝撃があったが。
(まさか、私もついに妖術を……)
「少し前に伊作から話を聞いてな。伏木蔵を助けたんだろ?」
「感心感心!」と言うが、どうしてここの学園の人は人を褒める時に上から目線になるのだろうか。
私と彼らではそんなに年の差もないはずだ。
もしかしたら私の方が年上ということもあるかもしれないだろうに。
とりあえず私はほっと胸をなでおろした。
気になるという言葉の意味が恋愛的な意味ではなさそうだったから。
妖術は未だ発動していないようだ。
他の生徒達もそれが分かったようで捜索活動に専念し始める。
――少し離れたところから小平太さんを呼ぶ声が聞こえた。
重い木材があるため、退かすのを手伝って欲しいとの事だった。
周りでも、各委員会ごとに固まって探している。その方が効率がいいことに気づいたのだろう。
「そういう事だ、私はもう行く。あまり話せなかったが、また機会があれば話をしよう」
彼はそう言って呼ばれた方へと行った。
明るくて、爽やかな人だ。
探していた場所は引きずることも叶わない木材ばかりになってしまったので、私もほかの場所へと移動した。
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作者名:小学7年生 | 作成日時:2020年1月13日 19時