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8話 ページ9

「わっ、びしょびしょじゃないですか!大丈夫ですか、紫桜さん!」

『……賢治君』

「とにかくタオルを持ってきましたから!早く拭かないと風邪ひいちゃいますよ!」

にっこりと笑って私の肩にタオルをかけてくれた賢治君
……明るい笑顔が眩しい

『……うん、ありがとう。でも大丈夫』

「で、でも……これはさすがに酷いですし、僕から皆に……」

『やめた方がいいよ。そもそもそんなこと、賢治君がする必要ないし』

「えっと……?」

『私、賢治君のことも嫌いだから。言ったでしょ?社長以外の人間なんて大っ嫌いって。彼の人以外なんて全員等しく無価値なの』

タオルで髪を拭きながら話す
……突き放すように言ったのは、迷惑をかけたくないって言うのもあったけど
正直、普通に本音だった

私の大好きな人
私の世界で唯一価値のある人
それ以外なんて、大っ嫌い

理性的なところをすっ飛ばして、人間が虫を気持ち悪いって言うように、私も彼の人以外の人間が気持ち悪くて仕方ない

「……それでも、僕は好きですよ。紫桜さんのこと」

『……え?』

今度は、私が驚く番らしい
全く理解ができない

「嫌われてても、僕は紫桜さんが大好きです!だから、辛い時は一緒にいたいし助けたいなって」

『……なにそれ』

何を言われたって、私は嫌いなままなのに
わけ、わかんない

「ほら、考えるよりも!です!
社長と乱歩さんは今日は出張ですよね……とりあえず、春野さんがあったかいお茶を入れてきますって言ってましたから、暖かくして待ってましょう!」

『……うん』



……春野さん、私の事、嫌いじゃないのかな

「紫桜ちゃん。お茶、どうぞ……って、あら……酷い、私の服で良かったら貸すから、着替えてきた方がいいわ」

慌ててそう言ってロッカーから着替えを取ってくる春野さん
……申し訳ないな、なんだか

『大丈夫、です』

「ダメよ。ちゃんと着替えて。……私ね、社長から留守にしてる間、貴方の監視を頼まれてるの」

『……私の?』

「えぇ、他の社員になにかされてないか、とか、また無理をしていないかとか」

……嬉しいな
社長が私のことを考えてくれるのは、凄く嬉しい
そのまま死ねるくらい嬉しい

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朱鷺 - 太宰さんが馬鹿でウケる (1月30日 9時) (レス) @page25 id: b34111cf4c (このIDを非表示/違反報告)
太宰の包帯少女 サブ - お話全て読みました。感動です。死にます。 (1月19日 4時) (レス) @page24 id: 7ba6d2397a (このIDを非表示/違反報告)
太宰の包帯少女 - ふわり許すまじ!!紫桜ちゃん幸せになって…!! (1月17日 11時) (レス) @page1 id: 76044cacdf (このIDを非表示/違反報告)
お稲荷 - 初コメ失礼します! こういう社畜系のお話大好きなんですよね〜 これ作った作者さん神でございます (1月13日 19時) (レス) @page18 id: bf74b10c25 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 社長オオオオオオ!、!夢主ちゃんを守ってあげてええええええ!!! (1月12日 17時) (レス) @page15 id: a350d82ee1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:riizumi7 | 作成日時:2024年1月10日 1時

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