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4話 ページ5

福沢side__

……社員が倒れた
周囲の状況と、与謝野の診察を聞くに過労らしい

与謝野の治療を受けて、穏やかな寝顔で眠りにつく彼女の方を見る
どうにか持ち直したものの、未だ予断を許さない状況だ

大人しくすやすやと眠っている彼女の目元には酷いクマが出来ていて、社長である自分がもっと早く気づけていれば、と思うと彼女に申し訳なくなる

……それと同時に、無防備に眠る彼女へ対して愛おしさすらあった
こんな時に、自分の下らぬ好意などで彼女を煩わせる訳にはいかないのに

「……済まぬ、紫桜」

眠る彼女の髪を撫で、立ち上がる

……社長として、まだすることがあるのだ

___

「春野、社員を集めよ。言わねばならんことがある」

「了解しました、社長」

秘書の春野に社員達を集めさせた
オフィスに集まった社員の顔を一通り見て話す

「……現場にいたものは既に知っているだろうが、紫桜が倒れた」

数人の社員からざわめきの声が漏れる
一方でまた数人の社員は口を重く閉ざしたままだ

「……原因は過労だそうだ。……124連勤、らしい」

「ひゃっ、ひゃく……!?」

心配そうに眉を下げていた賢治が素っ頓狂な声を上げた
気持ちは分かる
私も最初に聞いた時はショックで倒れるかと思ったものだ

言われてみれば最近は毎日顔を合わせていたような気もしたが、探偵社には休日であっても顔を出す社員もいるので、彼女もそういうものだと思って疑わなかった

…………社長として、有るまじき過失だった

「でも、紫桜さんは全然仕事もしてないし、いつも芙羽梨さんをいじめて……」

そう言って声を上げたのは谷崎潤一郎、戦闘員のひとりだ
続くように敦、鏡花、与謝野、太宰もそれに同意する
うんうん、と頷く太宰を見て仕事をしないのは太宰もだろう、と突っ込みを入れかけた

国木田はただ俯いているだけ、賢治は心配している様子
乱歩は私と入れ替わる形で紫桜の看病をしている

社員も反応はそれぞれだが、その中でも1人、騒ぎ立てる者がいた

「紫桜ちゃんが倒れたって、聞いて……ぅぅっ、酷いことも沢山されたけど、探偵社の仲間なのに……っ!」

泣きじゃくっている華咲
……誰のせいだ、なんてことは言っても無駄だろう

「……社長命令だ。
春憂に仕事を預ける、または委託する行為は社内外問わず厳禁とする!」

それだけ告げて紫桜の元へ戻る
……華咲の処分は、紫桜が回復した後で決めればいいだろう

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朱鷺 - 太宰さんが馬鹿でウケる (1月30日 9時) (レス) @page25 id: b34111cf4c (このIDを非表示/違反報告)
太宰の包帯少女 サブ - お話全て読みました。感動です。死にます。 (1月19日 4時) (レス) @page24 id: 7ba6d2397a (このIDを非表示/違反報告)
太宰の包帯少女 - ふわり許すまじ!!紫桜ちゃん幸せになって…!! (1月17日 11時) (レス) @page1 id: 76044cacdf (このIDを非表示/違反報告)
お稲荷 - 初コメ失礼します! こういう社畜系のお話大好きなんですよね〜 これ作った作者さん神でございます (1月13日 19時) (レス) @page18 id: bf74b10c25 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 社長オオオオオオ!、!夢主ちゃんを守ってあげてええええええ!!! (1月12日 17時) (レス) @page15 id: a350d82ee1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:riizumi7 | 作成日時:2024年1月10日 1時

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