1話 ページ2
「ねぇ紫桜ちゃん……この資料今日のお昼までにおねがいしまぁす!わたし、あつしくんとおでかけしたいからぁ……」
『了解です。後で目を通すのでそこに置いておいてください』
「わぁいありがとう!芙羽梨うれしぃ!紫桜ちゃんだいすきぃ」
甘ったるい声を右から左に聞き流しながらキーボードを叩く
後ろの方では中島さんが芙羽梨さんにデレデレしながらデートを誘っている様子が見られる
まぁ見る必要も無い、私に必要なのはこのパソコンと大量の資料だけだから
あぁ、なんて最高の気分なんだろう
今日はいつにも増して仕事が多い
机の上に溜まった資料を見て、枚数を数える
いち、に、さん、し、ご、ろく、なな、はち……あっどうしよちょっと興奮してきた、きゅう、じゅう、じゅういち……
…………やめよう、これ以上数えたら興奮しすぎてちょっと、ふふ、下品なんですが、その……
…………下品だからやめておきますね……
「おい春憂、これも頼むぞ」
『……了解です』
後ろからしたのは国木田さんの声
資料の山にさらに書類が追加された
もうダメかもしれない私、今日こそ過労死できるかも
過労死したら社長と同じお墓に入るんだ
私を殺した責任、とってもらうんだから……ふふ
色々考えながらも手は止めない
私社長に飼い殺される畜生、略して社畜だもん
社長が私の事飼って……なんかいいな、興奮してきた
「紫桜ちゃんっ!これもおねがぁい!わたし、戦闘員だけど、今日は敦さんとデートだから行けなくなっちゃってぇ……」
『これは?』
「んーっとね!犯罪組織のぉ、えーっと……なんだっけぇ?」
首をかしげる彼女
武装探偵社のお姫様、華咲芙羽梨
人に仕事を押し付ける手腕だけは一流の嫌味な女だ
『……って、私、事務員ですから戦闘員のお仕事は……』
したくてもできないです、と続けようとしたら急に芙羽梨さんが泣き出した
「やってくれないんだ……ぐすっ、酷いよ紫桜ちゃん……!普段から全然仕事もしてないくせに……ッ!」
『してますよ、社長の忠実な社畜ですから……♡』
あっ自分で言っててなんて甘美な響き
早く社長に躾けられたい……
社長……社長のことを考えたら寂しくなってきたなぁ……っとそんなこと考えてるうちに社員がわらわら私の机の周りに集まってきた
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朱鷺 - 太宰さんが馬鹿でウケる (1月30日 9時) (レス) @page25 id: b34111cf4c (このIDを非表示/違反報告)
太宰の包帯少女 サブ - お話全て読みました。感動です。死にます。 (1月19日 4時) (レス) @page24 id: 7ba6d2397a (このIDを非表示/違反報告)
太宰の包帯少女 - ふわり許すまじ!!紫桜ちゃん幸せになって…!! (1月17日 11時) (レス) @page1 id: 76044cacdf (このIDを非表示/違反報告)
お稲荷 - 初コメ失礼します! こういう社畜系のお話大好きなんですよね〜 これ作った作者さん神でございます (1月13日 19時) (レス) @page18 id: bf74b10c25 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 社長オオオオオオ!、!夢主ちゃんを守ってあげてええええええ!!! (1月12日 17時) (レス) @page15 id: a350d82ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:riizumi7 | 作成日時:2024年1月10日 1時