8℃ ページ8
その日はいつも帰るより2時間くらい遅かった。
たまたま今日も昨日お世話になった人が来てくれて。
少し長めに話してしまった。
そらるさん
そう言うらしい。
なんだか大人っぽくて、優しくて、
やっぱり声の印象が大きかった。
綺麗で、まふとは違う低さ。
でもまふと比べるほどまふの声を覚えていない自分が悲しかった。
『ただいま』
やっぱりしーんとしている家に入り。
今日は珍しく朝ごはんを買ってきたのでまふにあげようと迷わず部屋に行った。
部屋の前
立ち止まって、やっぱりやめようか、なんて。
そう、頭に浮かんだ。
ガチャ
ドアが開いた。
私は驚いて目を見開いた。
そして、暫くの間止まっていた。
『まふ、あのご飯買ってきたの。食べてね』
ビニール袋をまふに預けようと手を見た。
『え…』
鮮やかな赤色がつーっと、垂れていて。
まふは何故このタイミングで部屋から出ようと思ったのか分からない。
『まふ…っ?』
彼は私に気づいてもらおうとしてそうしたのか。
たまたま部屋を出たら私が居たのか。
『まふ…?!ねえ?!』
よく見ればたくさんの傷跡が残っていた。
白くて細いその腕には、
無数の太い跡で。
痛々しくて。
私の頬に流れたものがあった。
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My_lay(プロフ) - 久しぶりの更新、お疲れ様です!どうか無理はしないで下さいね…!応援してます。 (2017年8月30日 7時) (レス) id: 80fcad1283 (このIDを非表示/違反報告)
meal - この作品大好きです! これからも頑張ってください 応援しています (2017年7月27日 22時) (レス) id: 43ed2044ce (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - りり@休日なんで更新頑張りますさん» あああ!ありがとう~~!更新がんばります! (2017年5月16日 12時) (レス) id: 671472fa46 (このIDを非表示/違反報告)
りり@休日なんで更新頑張ります(プロフ) - りとさん» 読んだよ…!!私の何倍も素敵な作品でした…!!((( 応援してます!! (2017年5月14日 16時) (レス) id: 1207641a4c (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 従順なこいぬさん» ご指摘ありがとうございます。22話が非公開になっていました…!すみません…! (2017年5月13日 0時) (レス) id: a9b576e822 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りと | 作成日時:2017年4月17日 22時