第22話 ページ22
う「元からAは大人に囲まれていた環境のせいか変に思考が大人びた所があって、恐らくそれが周りにとって気に食わなかったんだと思う。…小学校、中学校とイジメに遭ってたんだ。」
セ「………イジメ、ですか。」
う「あぁ。最初は仲間外れ、悪口、物を盗られる、そんな感じだったって聞いてる。それがだんだんと暴言、暴力……精神的なものが中心だったイジメに、物理的なイジメが加わり始めた。」
坂「……っ、」
う「それでもAは耐えたんだよ。グッと耐えた。誰にも弱音を吐かず。………そして、高校生になったばかりのAは………………路地裏で見知らぬ男達に囲まれた。」
志「っえ、まさかっ……!」
う「一応未遂。精一杯Aが抵抗したおかげで警察の到着が間に合って…。でもそんな事件の被害者になれば、当然Aは白い目で見られる。Aの身体も心もズタボロで………命を断とうとした。それも結局家族に見つかって………。」
セ「………それで、Aちゃんは…?」
う「何とか家族のサポートもあって一年かけて日常生活を送れるまで回復して…そんな時にポツリと"やり直したい"って言ったらしいんだ。」
坂「そこでうらさんの登場やな?」
う「そういう事。俺以外は全員埼玉に住んでるから環境を一変するには俺のところしかない。」
志「………なるほどな、とりあえずは理解した。」
まーしぃの言葉に全員がふぅ、と肩の力を抜く。
う「悪い、これからお前らにも迷惑かけるかもしれねぇ。…けど、俺はアイツの勇気を無駄にするようなことはしたくねぇ。精一杯やってほしいと思ってる。だからっ、」
坂「うらさんっ!」
う「っ、…坂田……」
遮られた言葉に、顔を上げる。
セ「僕達に出来ることがあれば言うてください。」
志「迷惑なんて掛けてナンボやろ。」
坂「俺ら仲間やんか!うらさんの大切なものは、僕らにとっても大切なもの!ね?」
う「っ、お前ら………、ありがとう……!」
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まなつ(プロフ) - コメント失礼します。ただ一人の私自身を思ってくれる、本当の私を見てくれる、そんな優しい誰かがすぐそばにいる、それを気付かせてくれる誰かがいる夢主ちゃんはとても幸せですね。素敵なお話をありがとうございます (2020年6月25日 23時) (レス) id: c0717d53d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゲッティ - 奇遇、私も埼玉住んでる (2020年6月13日 18時) (レス) id: 0adc01732d (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 心春さん» これは世界中で理不尽ないじめと戦う皆の話です。貴方の心に響いたのならきっと貴方も過去(現在かもしれませんが)経験がおありなのでしょう。「結局誰も助けてくれない、けれど何処かに助けてくれる大人は必ずいる」をテーマに書いておりますのでコメント嬉しいです。 (2020年5月26日 7時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)
心春 - 泣いてしまいました。夢主ちゃんの周りに素敵な方達がたくさん居て、読んでいてとてもあたたかくなりました。これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます。 (2020年5月26日 0時) (レス) id: dd23ca9c81 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - しおさん» ありがとうございます。「貴方にとって優しい世界が何処かにある」をテーマに書いておりますので伝わっていたのはとても嬉しいです。 (2020年5月24日 19時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛 | 作成日時:2019年8月6日 12時