10話 ページ10
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キーンコーンカーンコーン
授業が終わりのチャイムがなった
痛む手首をさすりながら
廊下の角を曲がると
「 あ、Aちゃん 」
顔を上げるとそこに立ってたのは
藤ヶ谷くんだった。
急に心臓が早くなる
嫌で下を向いたまま通り過ぎようとした時
「 まって 」
痛む左手を掴まれた。
その瞬間、廊下にいる女の子達が
私達の方を見ていく
皆、藤ヶ谷くんを見ていた
私の存在が亡くなったみたいに…
「 なに … ? 」
腕の痛みに耐えながら
冷静を装った。
「 Aー 」
後ろから名前を呼ばれた
宏光 … 。
そう思い振り返ろうとした時
手首を強く握られ思わず声が漏れた
「 イ ッ …… 、 」
見上げると藤ヶ谷くんの
妖しい笑みが私を見下ろしてた。
「 今日の放課後 保健室の前で待ってて 」
そう言うと腕を離され
私の横を通り過ぎた。
たぶん数分の出来事なのだろうけど
私にはとても長く感じた。
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作者名:理人 | 作成日時:2018年12月21日 0時