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第97話 ページ22

あるところに、一人の孤独な化け物がいました。

化け物は、人間であり、狐でした。


狐は、月も羨む銀の毛並みと、宝石のような金の瞳を持っていました。


狐は、大きな屋敷(おり)で、大切に飼われていました。


狐は、人ならざる者達に囲まれて、いつもいつでも一人きりでした。


狐は、人間であり、中途半端な獣だったので、馴染むことが出来なかったのです。


狐は、たった一匹で孤独に生きてきました。


狐は、人の形をした獣をずっと探していました。


狐は、自分以外の獣に会いたかったのです。


ある日、狐は黒い獣と出会いました。


これは、そこから始まるお話です。



そう。これは、狐を名乗った中途半端な化け物と。

破壊を好む、とある獣の物語。























そして、狐は恋をしました。


狐は、生まれて初めて『愛しい』という感情を知りました。


狐は、檻の中で育てられた子供でした。


狐は、大切に大切に育てられた子供でした。


狐は、虐げられたことなどない子供でした。


狐は、吐き気のするような愛情で育まれた子供でした。


狐は、それが不満で、そして、不安でした。


狐は、聡い子供でした。


狐は、感情を読めすぎる子供でした。


狐は、檻の中で育てられながらも、妖怪達のことを好いていました。























そして、生まれて初めて、狐は人間に感情を告げました。


それは、恐ろしいほどの恐怖と、それと同じくらいの強い思いがありました。





 




 


重い腹を抱え、狐は嗤いました。


笑みを浮かべたまま、人に戻った化け物は、小さくささやきました。





































『あぁ…幸せだなぁ』



これで、狐の話はおしまいです。



これを聞いても、お前たちにはまだ理解が出来ないだろうね。




・・・いいや、それでいいんだよ。






お前たちがもっと大きくなって、色々な事が理解できるようになったら、もう一度、話してあげるから。









大丈夫。忘れたりしないよ。









お前たちとの約束は、絶対に。




忘れたり何かしないから・・・・、ね?

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haiki  - 感動、感動の一言です!失礼ですが、何となく『狐』と言う単語に惹かれてクリックしてみたら、本当にすごかったです!こらからも続けるのだったら、嬉しいのですが・・・これからも、頑張ってください。 (2016年12月29日 23時) (レス) id: 603df3e4f4 (このIDを非表示/違反報告)
柘榴 - めっちゃハマった!感動した! (2016年2月12日 20時) (レス) id: af6dad06a9 (このIDを非表示/違反報告)
ななえ - 感動しました。 (2016年1月13日 21時) (レス) id: 42f6409a50 (このIDを非表示/違反報告)
Head・phone - ハマりに、ハマった。 (2015年10月8日 13時) (レス) id: a1b07e2967 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 最高に いい小説でした! 最近 他の小説を読んでも あまり ピンとこない 小説 が 多かったんで この 小説に ハマり ました! これからも 小説作り 頑張ってください (2015年8月14日 1時) (携帯から) (レス) id: 222eea2be2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2014年4月26日 15時

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