第７８話 ページ3
それから五年がたった。
妖怪たちに預けられた子はAと名付けられ、元気に育った。
妖怪たちもまた、Aを可愛がっていた。
Aが鎮め者としての素質を持っていることを感じ取り、手塩にかけて育てた。
特に紫苑は、Aを我が子のように可愛がった。
ある日、本家から呼び出しを受けた。
鎮め者を失った妖怪たちの様子を知るために。
本家の人間はAの存在を知らない。
そこで、紫苑は言った。
「この子を本家に連れていったらどうでしょう？」
他の妖怪たちは何故かと問うた。
「この子が鎮め者として名を継げば、私たちは安心できる。
喰らいたくもない魂を喰らうのは、もううんざりでしょう？」
強い力を持つ者の魂は美味い。
弱い力しか持たぬ者の魂は不味い。
鎮め者として、妖怪を押さえることが出来なければ、妖怪に喰い殺されるのだ。
鎮め者は、妖怪が暴走したときに、抑えるか、殺すか、殺されるかを真っ先に担うものだ。
「力が弱い者に、この仕事は重すぎる」
──────だから、喰らう。
『Aに、鎮め者の座を継がせよう』
私たちの姫を。
私たちに、初めて名をくれた者を。
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haiki - 感動、感動の一言です！失礼ですが、何となく『狐』と言う単語に惹かれてクリックしてみたら、本当にすごかったです！こらからも続けるのだったら、嬉しいのですが・・・これからも、頑張ってください。 (2016年12月29日 23時) (
レス) id: 603df3e4f4 (このIDを非表示/違反報告)
柘榴 - めっちゃハマった！感動した！ (2016年2月12日 20時) (レス) id: af6dad06a9 (このIDを非表示/違反報告)
ななえ - 感動しました。 (2016年1月13日 21時) (レス) id: 42f6409a50 (このIDを非表示/違反報告)
Head・phone - ハマりに、ハマった。 (2015年10月8日 13時) (レス) id: a1b07e2967 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 最高に いい小説でした！ 最近 他の小説を読んでも あまり ピンとこない 小説 が 多かったんで この 小説に ハマり ました！
これからも 小説作り 頑張ってください (2015年8月14日 1時) (携帯から) (レス) id: 222eea2be2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零 x他1人 | 作成日時：2014年4月26日 15時
