第95話 沖田side ページ20
Aは、突然現れ、そして、突然いなくなってしまった。
俺たちが無意識にでも拒絶したことにより、Aは傷つき、悲しんだ。
「ハァッ…A・・・どこにいんだよ・・・」
───────ドンッ
全力で走っていたせいで、角から出てきた人影と思い切りぶつかってしまった。
小さく謝り、再び一歩踏み出す。
「総悟、待ってヨ。Aを探してるんでしょ?」
聞き覚えのある声に振り向くと、僅かに頬が赤くなった神威が立っていた。
俺と同じように、息が上がっている。
神威も、Aを探してる・・・・
「神威、アンタもAを探してんですかぃ?」
「そうだよ。でも、Aが居るとこが分かったから、今から行くつもり。
総悟は?Aの居場所分かってる?」
「・・・・・知りやせん」
「そっかぁ………じゃ、一緒に行こ。どうせフられちゃうケド」
───────Aは、高杉じゃなきゃダメみたいだから。
悲しそうに笑う神威も、Aに思いを寄せている。
そして俺も、Aに惚れていた。
───────ギィィィィィッ
錆び付いた音を立て、屋上の扉が開く。
『一番乗り、おめでとう。総悟、神威』
真っ青な空を背景に、Aが、狐が立っている。
俺たちが何かを言う前に、Aは口を開いた。
『何か用があるから、ここに来たんだろ?
言いたいことがあるなら、もうスパッと言っちゃいな』
相変わらず、心を読むのが上手い。
そう思いながら、隣に立っている神威に目をやった。
Aに気持ちを伝えるのは神威が先だ。
話し合いの結果、ジャンケンして、俺は負けた・・・・チッ
余裕たっぷりな笑顔で、Aは俺たちを見ていた。
いつもと同じ笑顔を浮かべ、神威は口を開く。
「A、俺はAの事が好き。
でも、付き合ってほしいとかは言わないよ。Aには、晋ちゃんが居るもんね。
でも、Aの事をずっと好きでいて良い?」
『あぁ、もちろんだよ、神威。僕は、神威の事も大好きだ。総悟、お前のことも大好きだぞ。
僕なんかで良いのなら、好きなだけ、想ってくれ』
カコカコと下駄を鳴らし、神威に近寄る。
そして、軽く背伸びをすると、額に口づけた。
『額へのキスは友情のキス。これからも、ずっと、親友でいて』
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haiki - 感動、感動の一言です!失礼ですが、何となく『狐』と言う単語に惹かれてクリックしてみたら、本当にすごかったです!こらからも続けるのだったら、嬉しいのですが・・・これからも、頑張ってください。 (2016年12月29日 23時) (レス) id: 603df3e4f4 (このIDを非表示/違反報告)
柘榴 - めっちゃハマった!感動した! (2016年2月12日 20時) (レス) id: af6dad06a9 (このIDを非表示/違反報告)
ななえ - 感動しました。 (2016年1月13日 21時) (レス) id: 42f6409a50 (このIDを非表示/違反報告)
Head・phone - ハマりに、ハマった。 (2015年10月8日 13時) (レス) id: a1b07e2967 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 最高に いい小説でした! 最近 他の小説を読んでも あまり ピンとこない 小説 が 多かったんで この 小説に ハマり ました!
これからも 小説作り 頑張ってください (2015年8月14日 1時) (携帯から) (レス) id: 222eea2be2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零 x他1人 | 作成日時:2014年4月26日 15時