愛し方4 ページ5
今日も今日とて我々多組の
相変わらず監視されているのには変わらないが向けられる殺気は圧倒的に少なくなっていた。
『くみちょー…仲良くなるにはどうしたらいいんです…？難しいです…』
「仲良くなる言うても嬢ちゃんのは好きな奴やろ？」
『はい…』
「好きな奴ぁここを仕留めたらええんや。」
『ここです？』
「せや。」
胸元をトントン、と叩く組長を首を傾げながら見るA。
組長は「どう説明したろぉか…」と少し唸った後ふと思い出したかの様に声を上げる。
「そういやぁ嬢ちゃん、“学校”ちゅうもんに行ったことあるんか？」
『“がっこー”…？です？』
聞き慣れない単語だったのだろう。少し眉にシワを寄せながら聞き返すA。
それを見た組長は「あいつちゃんと連れてかんかい…」とボヤいた後、Aの方を向き
「嬢ちゃん、“教育”ちゅーもんを受けてみるか？」
『その、“きょーいく”？はわたしが受けても大丈夫なんです…？』
組長はAの不安気に揺れる瞳を見つめながら眉間にあるシワを一層深くし、Aの頭を撫でた。
「当たり前や。嬢ちゃんにも勿論受ける権利っちゅうもんがある。」
それを聞いたAは顔を少し明るくすれば
『その“きょーいく”ってのを受けてみたいです…！』
と言い切った。
その答えを聞くと組長は嬉しそうに顔を綻ばせた後どこかに連絡し、「よっこらしょ…」と立ち上がった。
『？。くみちょー、どこ行くんです？』
「ん？ちょっと“お勉強”や。」
そう言えばAを抱き上げた。
『…！くみちょーにこうしてもらったの久しぶりです。』
「せやなぁ、もう嬢ちゃんもええ歳やさかいなぁ。」
その様子を目撃した舎弟に話を聞けば、「どうみてもあれは子連れトトロ」だそう。
Aを抱えたまま向かったのは図書室、だろうか。
落ち着いた雰囲気の部屋だった。
『…この部屋はなんです？』
「本ちゅうもんを保管したりする場所や。」
『へー…！』
「おぅ、エーミールは居るかぁ？」
「何です…そんなに大きい声出して…！その方は…」
『こ…こんにちは…です。』
エーミール、と組長が呼べば出てきたのはこの間総会で見たような気がせんでもない薄いミルクティー色の髪をした目の色素が薄い男性。
Aの事を一目見れば彼は驚いた様に目を軽く見開いた。
「Aさん、でしたよね？どうも。エーミールです。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 226人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たう - 神ですか。そうですよねそうに違いありません。更新待ってます。無理せず頑張ってください！ (2020年1月20日 20時) (
レス) id: ada02683d6 (このIDを非表示/違反報告)
リディー - 名前がシャムになって変わらないですけどこれ仕様ですか？7はうまくいくけど8だけダメなんです。私の端末の設定ですかね。 (2019年12月8日 0時) (レス) id: 18f9de17d4 (このIDを非表示/違反報告)
リディー - 神作を見ないとか頭イカれ…ゲフンゲフン、脳外科行った方がいいと思います、うん。こういうの弱いんだよぉ〜今後も頑張って( ＞Д＜)」 (2019年11月22日 18時) (レス) id: 18f9de17d4 (このIDを非表示/違反報告)
フェル(プロフ) - リディーさん» 主人公ちゃん可愛いですよねぇ… てかリディーさん今作も見てくれてるとかやっぱ優し過ぎか…まじありがとうございます… (2019年11月21日 22時) (レス) id: dcc6ae516b (このIDを非表示/違反報告)
リディー - ナァニコレェ、可愛すぎません？天才ですか天才ですね？今後も応援してます！ (2019年11月21日 21時) (レス) id: 18f9de17d4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
