7 ページ8
とりあえずトイレに一旦避難すると精神安定のためスマホを出す。前の学校の友達とRAINしようかな……いや、やめておこう。とりあえず前世の記憶呼び起こして描いた漫画でも読もう。それか自分で描いた二次創作でも読もう。かなり昔作った作品って読み返すと新鮮な気分で読めるよな。
「手伝っただけなのに怖くね……? 友達出来てなかったら明日学校行けなかったぞマジで」
「悪気があった訳じゃないねん」
「いやなんか殺されそうな感じしたんだけど……いや誰!?」
上を見るとクリーパーパーカーを着た目元が見えない人がいた。我々だ! のゾムさんです。ゲームのスペックが反映されてる場合この人の身体能力はバグってることになる。FPSガチ勢だからね。この世界線においてマグマが地表とかに普通に存在しなくてよかった。
「さっきエミさんを助けてくれたらしいやん」
「エミさん……あっ金髪白目の」
「名前聞いてないん?」
「別に聞いても名乗ってもないですよ。ちょっと手伝っただけなんで」
降りてもらってドアを開ける。何か用かと聞けばグル氏が謝りたいそうだ。別にいいと言うが、まあ逃げられる訳ないよね。ゾムに連れられて再び生徒会室に入った。
「あの、先ほどはすみませんでした」
生徒会室に入るや否やエミさんが声をかけてきた。常識人枠が1人いるだけでこんなに心休まるとは……。
「いや大丈夫ですよ」
「いえ、ほんとすみませんでした」
エミさんは別に悪くないのにペコペコされてこっちの方が申し訳なく思える。なんかもう帰りたい。トントンとかオスマンがじっと黙ってこっち見てる時点でもう胃が痛いよね。
「あー……エーミール、そろそろいいか」
「エーミール? あっエーミールだからエミさんってことか」
ゾムニキの方を向きながら聞けばせやでと頷いた。……あっ俺まだエミさんの名前しか知らない感じじゃん。別にいいけど。
「……ってえっと……なんか、さっきはすみませんでした」
「いや、謝るのはこちらなのだが」
「いえ、こっちこそなんか怯えてすみませんでした」
今は特に怖くないグル氏にペコリと頭を下げると予定があるからと帰ることにした。もちろんゲーム以外にやることなどない。
「それでは失礼します」
……あれ、勧誘されなかった。やったぜ。
「……ゾム」
「わかっとる」
ゾムはモブの跡を追うように部屋を出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 11人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ドラム缶 | 作成日時：2019年9月12日 6時
