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「居ないんですか…?」


「恥ずかしいことに。いつも自分たちで適当にやってるの。流石に大怪我は町の大きな病院で見てもらうけど」


「そうなんですね…」


私がなっても良いのだが、山崎さんは私が医者だということを知らないし、女人禁制のこの場所にズカズカと入り込む気もない。


「…Aさんは、なんのお仕事を?」


なんで聞くのそれ。


「…今は、無職です。最近地球にやってきたばかりで」


「そうなんですね。あ、ここです」


すごい掛け声が聞こえる。
訓練中なのかな、


「隊長ー!沖田隊ちょうべへっ!?」


「なんでィザキ、うるせェんでさァ」


「山崎さん!?」


視界から山崎さんが消えたと思ったらすごい勢いで竹刀が飛んできた。


「…ってA!?」


「あ、沖田さん」


「なんでここにいんでィ」


「お礼を言おうと思って、これ団子です」


汗をタオルで拭いながら、受け取ってくれた。
結構買っちゃったけど、食べれるかな。


「…これ、いくつ買ったんでィ」


「店にあっただけですけど…」


ぴしり、と固まったが、すぐに笑い出した。
えっなんで。面白いことなんにもしてないけど…?


「お前、最高でさァ!!」


ひぃ、と腹を抱えて笑う沖田さん。
なんだか恥ずかしくなって思わず顔を隠した。
…絶対顔赤い。


「…オイ、総悟!!てめぇサボってんじゃねえ!」


「うお、危ねェ」


「山崎も!!伸びてんじゃねぇ!!」


「はいぃいい!!」


バシンバシンと竹刀を振り回す…鬼?
じっとこっちを見る前髪さんの目が怖い。
前髪がすごい。((


「…総悟、誰だこいつ」


「土方に教える名前なんかありやせんぜ、A、こいつァマヨ方。前髪V字族の末裔でさァ」


「前髪V字族…そんな部族があるんですね」


「ンなわけねェだろ!!アホか!?」


ガチャッ


「A離れてくだせェ、…死ね土方ァ!!」


言われた通りに数歩はなれるとバズーカを取り出して、至近距離で放った沖田さん。


「あ?…うおぉぁああああああ!?」


ドカーンッと派手な音を立ててバズーカを放ったこの人。…まじか。


「はっなんでィ死んでねェのか」


「…お前、殺す気か!!」


あっなるほど仲良しか。
やっぱりあった時から思っていたが沖田さんは神威みたいだな。

そう思うと思わず笑みがこぼれた。


「大丈夫ですか、V字さん」


この人も苦労してそうだなぁ。
歩み寄り手を差し出すと、警戒しつつも手を取ってくれた。

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作者名:雪林檎V2 | 作成日時:2019年1月3日 11時

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