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「オイすげえ美人のネーちゃんがいるじゃないの、何、依頼人?」


「違いますよ!この方は「神楽の姉のAっていいます」


「は?」


「A、こんなマダオほおって遊びに行くアル、定春の散歩行くヨ」


マダオ、とはなんだろうか。
定春ってもう死んじゃったんじゃなかったっけ…?


「定春?…わ、大っきい犬…」


「今度は、死なないようにお世話するネ!!」


「…うん、そうだね。よろしく、定春」


「ワォン!」


可愛い。定春を撫でる神楽も可愛い。
ベストオブ可愛い賞受賞できると思う。


「いやちょっと待てェエエエエエエ!!!」


「何アルカマダオ」


「いやお姉さん!!お前兄貴だけじゃなくてそんな胸が残念だけどクソ美人なお姉さんがいたの!?」


ドドドドッドガッ


「黙れヨ変態」


「ちょっ助けッァァアアアッ!!!」


「Aを侮辱するやつは私が許さないアル!!」


「神楽、ありがとう。父さんが言った通り逞しく育ってくれて嬉しい」


「ちょ、俺は!?俺を助けて!!」


「うるさい虫アル、死ねヨ」


ひたすら続く乱闘(一方的)から少し離れて志村さんからお茶をもらった。


「すいません、うるさくて」


「いえいえ…あの子も寂しい思いをしてきたんです。よければ仲良くしてあげてください」


「いやこちらこそですよ!」


「優しいですね…志村さん、ご家族は?」


「姉がいます、道場を営んでるんです」


廃業寸前ですけどね、と自嘲気味に笑う志村さん。
一体幾つなんだろう。こんなしっかりしてるなんて親御さんがしっかりしてあるんだろうな。


「志村さん、一体いくつですか…?」


「16です」


「16!?そんな若いのに、頑張ってるんだね」


「そんな!!とんでもないです、まだ姉上に頼ってばかりで…」


私より年下だった。若いなとは思ってたけど。


ドガシャァッ!!


「うわぁ…神楽ちゃん、そこまでにしてあげて」


「モザイク画になってる」


元々モザイク画みたいな頭してるに…。((


「Aさん、意外と毒舌ですね…」


「えっ!?」


「心の声漏れてるアル」


「あ、ご、ごめんなさい!…大丈夫ですか?」


見た感じ、頭からの出血と頰が真っ赤になってるだけ…うん、重症だけどこの人なら大丈夫だろう。


バッグから、止血剤と包帯と湿布を取り出す。

テキパキと作業をすませる。

モザイク画なだけあって結構…ひどい。


「神楽、殺しちゃダメだよ?」


「はいアル!!」

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作者名:雪林檎V2 | 作成日時:2019年1月3日 11時

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