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「お妙さあぁああああん!!!!!」
ストーカーゴリラを回収して屯所に投げる。
「近藤さ…おいゴリラ、いい加減にしろィ」
「ゴリラじゃない!!最初のであってる!!!」
「うるせェでさァ、…なんでそう追いかけるんですかィ」
「惚れちまったからなァ!お前も惚れた女ができたらわかるぞ!!」
ドガンッ
「えぇええええええなんでェ!?!」
とりあえずバズーカをぶっ飛ばしといた。
いつも通りに見回りという名のサボりをしていると、番傘をさした女とぶつかってしまった。
ったく、なんで今日はこんなに人が多いんでィ
「すいやせん…っ!?」
思わず足を止めてしまった。
一瞬、姉上と被って見えたからだ。
似てるやつくれェどこにでもいんだろうに。
頭を振って歩き出した時、
「あの、!」
女が話しかけてきた。
…見れば見るほど、姉上に似てやがる。
何とも言えねぇ気持ちが、胸に広がる。
「何ですかィ」
「この子を探してるんですが…ご存知ないですか?」
そう言って差し出された写真。
いやいや、ご存知も何もさっきまで喧嘩してたチャイナじゃねぇかよ。
「そいつ、万事屋にいまさァ」
「よろ、ずや…」
聞いたことがないのか。
カタコトで復唱する姿がどうもおかしかった。
しかし、なんでこんなやつを探してんのか…
「アンタ、こいつを探してんのかィ」
「はい、妹なんです」
は。妹!?
いやいやいや、似てねェだろ。
お天道様もびっくりでィ。どんな両親が【ピー】たらそんな天変地異が起こるんだよ。
「ありがとうございます。行ってみますね、よろずやってところに」
絶対わかんねェだろこいつ。
その感じじゃどう考えてもまた人に聞くだろ。
「道、わかんのかィ」
「あ、」
「案内しまさァ、付いて来てくだせえ」
「い、良いんですか?」
「良いサボりの口実になりまさァ。」
「さ、サボり…」
面白いヤツでィ。名前くらいは聞いてやってもいいか。
「名前なんていうんでィ」
「あ、申し遅れました!Aと言います。えっと…」
「沖田総悟でさァ」
「沖田さん、よろしくお願いします」
ふわりと笑った顔に、ドキリと胸が鳴った。
…珍しいこともあるもんだ。
「よろしくお願いしまさァ」
一目惚れ、なんてことァ絶対ねェと思ってたのに
…近藤さんのこと言えねェな、俺も。
あとで謝っとこ。
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作者名:雪林檎V2 | 作成日時:2019年1月3日 11時