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ゲホゲホと咳き込んでいる間、そー君が背中をさすっていてくれた。…優しいんだなぁ。


「…ふぅ、すみません。お見苦しいところを」


「…病気、か?」


「ううん、元々体が弱くて」


「総悟!部屋の準備ができたから運んでくれるか?」


「わかりやした。立てるか?」


歩行ぐらいできるだろうと思ってたが、立ち上がった瞬間立ちくらみを起こしたのはいうまでもない。

…貧血だ。

輸血しなきゃなぁ…。ストックはまだあったはず。


「無理すんな、」


「!?え、あ、ん!?」


「…どんな悲鳴だよ。じっとしてろィ」


「…あ、うん…」


ふわり、と軽々しく抱き上げられそのまま横抱きにされた。
いやちょっと待って、!!

近い、いろんな距離が近い。
心臓の音聞こえるんじゃないかっていうくらい近い。


こんなにも早く部屋について欲しいと心から願ったのは初めてだ。


「ここでさァ、…何かあったら呼んでくだせェ」


「あ、…はい」


「…お大事に」


布団に寝かせてもらい、扉が閉められた。
…さっきのそー君、少し様子が変だったような気がする。

気のせいだといいけど…。
天井を見上げ、今日を振り返ってみた。

神楽に会えて、江戸の町を回って、いろんな人に出会えて。ご飯に部屋まで用意してもらって。

なんて贅沢なんだろう。


「…あ、薬飲まなきゃ」


…手を動かそうとしても、動かなかった。

まじか。

発作と呼んでるこれ、実は何が起こるかわからないびっくり箱のようなものなのだ。毎回毎回一緒だったり違ったり、周期もバラバラだから予測ができない。

まさか体が動かなくなるとは思わなかった。


ガラッ


「…体調、大丈夫か」


「土方さん…はい、と言いたいところなんですが体が動かなくて…」


「!やっぱり病院に行くか…?」


狼狽え始める土方さん。
きっと慣れてないんだろうな。
…土方さん、怖い顔だけど本当はいい人なんだ。


「そんなにしなくて大丈夫ですよ。…あの、カバンから赤い袋を取ってもらっていいですか?」


「あ?…あァ」


「…ありがとうございます、すいません。ご迷惑おかけして」


「いや、大丈夫だ」


薬を枕元に置いてもらう。
…動かないから、多少動けるようになったら飲もう。


「お前、医者なんだってな」


「…はい」


「単刀直入に聞く…ここの専属医になってくれねェか」

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作者名:雪林檎V2 | 作成日時:2019年1月3日 11時

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