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「…行きやすぜィ」


「…いつでもどうぞ」


お互いに竹刀を構える。
…すごい殺気。きっと沢山の修行を積んできたんだろうなぁ。

…でも、私も負ける訳にはいかない。


「ッ!!」


振り上げた腕をピタリ、と止めた沖田さん。
私は未だ構えたままだ。


「…動かないんですか?」


「よく言うぜィ、…ンなモン出して、隙のひとつも見せやしねぇたァ…」


「お褒めに預かり光栄です、」


一瞬警戒を解いただけなのに、光の速さで沖田さんの竹刀が飛んできた。切っ先を捌いては自分も攻撃、そんな攻防を繰り広げ続けた。


「…いい加減、負けてくだせェッ」


「いや、ですッ」


不意に、沖田さんが滑った。
私は慌てて竹刀の先を別の方に向けた。


ドサッ


「よ、よかった…」


見事に竹刀は沖田さんの顔の真横に刺さっていた。

そのままだったら、多分沖田さんの顔面を砕いていた。…そう思うと、ゾッとする。


「オイ、A」


「お、沖田さん…!!大丈夫ですか!?」


「…早く降りろィ」


「あ、すす、すいませんッ!!」


駆け寄ってきた土方さんの手を借りて立ち上がった。どこも怪我はないだろうか。


「あ、頰が…」


「これくらい、平気でさァ」


「これ、使ってください」


カバンから、絆創膏を取り出して貼り付けた。
ピンクだけど、許してほしい。ばい菌が入るよりマシだ。


「ククッ…総悟お前、真っ赤だぜ」


「うるさいでさァ、マヨ方コノヤロー」


「にしても、Aお前強いな」


「いえ、そんな」


何か考えるそぶりを見せる土方さん。
その横で、何か企んだように口角を上げた沖田さん。
この二人、実は仲がいいんじゃないかな。


「…A、夜飯食っていきやせんか」


「えっ」


「きっと近藤さんも歓迎しまさァ。なぁ、土方」


「呼び捨てにすんな、…あァ。俺も賛成だ」


「いや私、お邪魔しに来ただけですよ?そんな夜ごはんまでお世話になるなんて…」


「気にすんな、いいモン見せてもらった礼だ」


グイ、と沖田さんに手を引っ張られそのまま連れて行かれる。


「行きまさァ、A」


「はい!」


「…敬語、無しでいいですぜィ。年も変わんねェだろうし。あと苗字呼びも」


そんなハードル高いことよく言えるなぁ…
年が変わんないってことは、沖田さんも20歳くらいか。もっと幼いと思ってた。


「わかった、えっと…そー君?」


仲良くなったんだしあだ名で呼んでもいいだろう。
そんな安直な考えだった。

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作者名:雪林檎V2 | 作成日時:2019年1月3日 11時

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