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なんて和やかな星なんだろう。

初めて地球に来たがこんなに暖かい星だったとは思わなかった。永住しようかな。

キョロキョロと見渡しながら、さっきおばちゃんに貰った「ヨウカン」というものを口に運ぶ。


「ん、美味しい」


ドンッ


「すいやせん」


「大丈夫です。こちらこそすいませんでした」


あの人、随分と強い人なんだな。
腰に刀差してるし。
…地球、意外と怖いかもしれない。


あ、そうだ。
さっきの人に話を聞いてみればわかるかも。
色んな言語を学んでてよかった。
地球の言葉はいっぱいあるから結構喋るのが難しかったりする。


「あの、!」


「…何ですかィ」


うわぁ…明らかに迷惑そうな顔。
申し訳ないと思いつつも、ここで引き下がれない。
さっさと神楽を見つけて寝床を確保したい。


「この子を探してるんですが…ご存知ないですか?」


ヨウカンを貰ったおばちゃんにも写真を見せたが、ご存知じゃなかった。この反応じゃ、この人も知らないか…。


「そいつ、万事屋にいまさァ」


「よろ、ずや…」


「アンタ、こいつを探してんのかィ」


「はい、妹なんです」


写真をジト目で見てたと思いきや、大きく目を開いてこちらを凝視してきた。
コロコロ表情が変わる人だなぁ。


「ありがとうございます。行ってみますね、よろずやってところに」


「…道、わかんのかィ」


「あ、」


言われてみれば。
この土地っていうか地球自体初めてなのに。
わかるわけがない。


「案内しまさァ、付いて来てくだせえ」


「い、良いんですか?」


「良いサボりの口実になりまさァ。」


「さ、サボり…」


面白い人だなぁ、とぼーっと考えていたら


「名前なんていうんでィ」


「あ、申し遅れました!Aと言います。えっと…」


「沖田総悟でさァ」


「沖田さん、よろしくお願いします」


沖田総悟さん、か。
よく見たらとんでもなく美形なことに気がついた。
こんな人の隣を私なんかが歩いて良いんだろうか。
後で変な人に絡まれたら絶対このせいだ。

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作者名:雪林檎V2 | 作成日時:2019年1月3日 11時

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