1 ページ2
なんて和やかな星なんだろう。
初めて地球に来たがこんなに暖かい星だったとは思わなかった。永住しようかな。
キョロキョロと見渡しながら、さっきおばちゃんに貰った「ヨウカン」というものを口に運ぶ。
「ん、美味しい」
ドンッ
「すいやせん」
「大丈夫です。こちらこそすいませんでした」
あの人、随分と強い人なんだな。
腰に刀差してるし。
…地球、意外と怖いかもしれない。
あ、そうだ。
さっきの人に話を聞いてみればわかるかも。
色んな言語を学んでてよかった。
地球の言葉はいっぱいあるから結構喋るのが難しかったりする。
「あの、!」
「…何ですかィ」
うわぁ…明らかに迷惑そうな顔。
申し訳ないと思いつつも、ここで引き下がれない。
さっさと神楽を見つけて寝床を確保したい。
「この子を探してるんですが…ご存知ないですか?」
ヨウカンを貰ったおばちゃんにも写真を見せたが、ご存知じゃなかった。この反応じゃ、この人も知らないか…。
「そいつ、万事屋にいまさァ」
「よろ、ずや…」
「アンタ、こいつを探してんのかィ」
「はい、妹なんです」
写真をジト目で見てたと思いきや、大きく目を開いてこちらを凝視してきた。
コロコロ表情が変わる人だなぁ。
「ありがとうございます。行ってみますね、よろずやってところに」
「…道、わかんのかィ」
「あ、」
言われてみれば。
この土地っていうか地球自体初めてなのに。
わかるわけがない。
「案内しまさァ、付いて来てくだせえ」
「い、良いんですか?」
「良いサボりの口実になりまさァ。」
「さ、サボり…」
面白い人だなぁ、とぼーっと考えていたら
「名前なんていうんでィ」
「あ、申し遅れました!Aと言います。えっと…」
「沖田総悟でさァ」
「沖田さん、よろしくお願いします」
沖田総悟さん、か。
よく見たらとんでもなく美形なことに気がついた。
こんな人の隣を私なんかが歩いて良いんだろうか。
後で変な人に絡まれたら絶対このせいだ。
11人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雪林檎V2 | 作成日時:2019年1月3日 11時