無理しないで、もっと大切に。【山崎宗介】 ページ3
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※兄妹設定
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Aside
帰り、友達と別れひとり駅の改札口まで歩いてきた。
その改札口の向こうに、見慣れた、でも久しぶりな背中を見つけた。
慌てて切符を入れ改札を通る。
「お兄ちゃん!」
びくりとして、こちらを振り返ったのは紛れもなくお兄ちゃんだ。
「どうしたの?一時帰宅!?」
「いや……Aは学校の帰りか?」
「うん。帰ってくるなら行ってくれればよかったのに」
「用事で立ち寄っただけだ。夜には戻る」
「えー」
不満を口にするも、内心嬉しかった。
いや、寮に帰ってしまうことが嬉しいんじゃなくて、会えたことが嬉しい。
鮫柄に編入してからお兄ちゃんはすっかり家に帰ってこなくなっちゃったから、こうして少しでも会えて嬉しいんだ。
「家には顔出すの?」
「いや。外出許可時間が足りない」
だとすると、本当に何をしに来たんだろう。
ここ一帯にはスポーツショップもトレーニングスタジオもない。
「……あ。もしかして遊びに来たの?私も行く!」
「おい……っ」
ばしっと肩を叩くと、お兄ちゃんはとても痛そうな顔をした。
「どうしたの!?」
「なんでもねえよ……」
「そんなわけないよ!」
あの表情は普通じゃない。
見せて、と無理やりシャツをめくると
「これ……」
痛々しい、赤紫色。
見覚えがあるものだ。
「お兄ちゃん……治ったって言ってたじゃない」
「……毎日トレーニングしてる。治ったって言ったのも、嘘だ」
お兄ちゃんが何をしに来たのか大体わかってしまった。
病院に行くためだ。
「それでも、まだ泳ぐの?」
「言っただろ、俺の夢を……これが最後でもいい」
肩を壊してまで、凛くんと泳ぎたいの?
そう訊きたかったけど、訊けなかった。
言わせない、お兄ちゃんの目はそう言っている。
「暗くなるからもう帰れ。じゃあな」
「……カ」
「?」
「バカ!お兄ちゃんのバカ野郎!」
「おい……」
「お兄ちゃんに夢を諦めろなんて言わないけど……もっと自分を大切にしろっ!」
パシッと頭をはたいて、お兄ちゃんの横を通り抜ける。
――でも、お兄ちゃんはこれからも泳ぎ続けるんだろう。
・
「……いつのまに、あんなに強くなったんだ」
・
鷺澤浩二様リクエスト
己と友人では見え方が違うようで。【七瀬遙】→←溢れる思い verいいぞ、鮫柄。【わせ太】
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
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リンリン - はぁい、了解しましたぁ(^○^) (2014年9月14日 10時) (レス) id: 5360dcc8cb (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - ハルちゃんあざっす!やっぱりハルちゃん好きですわ〜!続編のほうの更新頑張ってください! (2014年9月14日 10時) (レス) id: dcf4c8a739 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - わせ太さん» 飲み切る…だと……!? つ、強い…Σ(゚Д゚) ……いや、私もまこちゃんのためならそのくらいイケるな…(真顔)← (2014年9月14日 0時) (レス) id: be52c26f88 (このIDを非表示/違反報告)
わせ太(プロフ) - リンリンさん» 申し訳ありません!part11にて、10個のみを募集します。今日の午前11時からですのでご安心を!part11で11時以降もう一度お願いします (2014年9月14日 0時) (携帯から) (レス) id: c18b3d2cf4 (このIDを非表示/違反報告)
わせ太(プロフ) - 射命丸さん» いえいえ!喜んでいただけてよかったです(*´∀`) ありがとうございます!! (2014年9月14日 0時) (携帯から) (レス) id: c18b3d2cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わせ太 | 作成日時:2014年9月6日 22時