_ 勇 気 を 、 小 さ な 一 歩 を 、 ページ28
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姫宮「 私がいるから、女がいるからデビューできないなんて、言わせません。西畑さんに絶対認めて貰えるよう私は努力します 」
西畑「 なんでっ、なんで… 」
西畑は酷く混乱していた。
姫宮「 関西を知る為に私はここに来ました。デビューする為に、私はここに来たんです 」
西畑「 もうっ、意味わからん…ごめん、、頭冷やしてくるわ 」
そう言い、西畑はレッスン室を出ていった。
藤原「 …大吾は真面目やからなぁ、 」
大橋「 丈くん…? 」
藤原は西畑の心境を想う。
彼は彼なりに葛藤していること、それが今見えたのだった。
だが西畑と同じ意見だと言った藤原は、今何を思っているのか。
藤原「 ごめんな、試してん。俺はな、まだ完全に受け入れられる程の人間じゃない。でもな、康二・大橋・流星に言われて引っかかってん。やからここ数日の姫宮を俺は見てきたんよ 」
そこまで言って一度句切った藤原。
実は、なにわ男子7人・室・向井で話したあの日から彼の心境は少しずつ変わっていた。
だから、西畑の言葉にどう返すのかを見て最終的な判断をしようとした。
藤原「 やっと、分かったんや。俺は、お前と一緒にやっていきたい。さっきの嘘偽りないその真剣な言葉、俺は信用しようと思う 」
今までごめんな、と藤原は姫宮に謝った。
姫宮「 いえ…、 」
大橋「 やっとやね、丈くん 」
藤原「 おん。認めたくは無いって思っとったのに、3人の言葉を聞いた日の夜、姫宮が練習しとる姿が見えてな… 」
藤原「 このままやとダメだ、そう思ったんよ。何か行動しなければ、そう思ったんやけど今まで何も出来んかった 」
姫宮「 藤原さ…藤原くん。ありがとうございます。私、そう言って頂けて嬉しいですし、むしろ私の方が何とかしないといけないのに、何もする事なくて…すみません。それに今日も遅れてしまって… 」
2人の間にあった難解はもう消えた。
藤原「 それは、今回学んで次に生かしたらええ。誰でもミスはあるんやから。ただ同じことはせえへんといてな? 」
姫宮「 はい、以後気を付けます 」
高橋「 あの、 」
突然、黙っていた高橋が口を開いた。
高橋「 っ、俺、ほんまはもうっ… 」
泣きそうな声色で高橋は言う。
高橋「 自分のことで精一杯で無関心やったのは本当やった…でも…姫宮さん…Aとはもう仲良しやねんっ… 」
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_ な に わ と と も に あ れ 。→←_ 不 協 和 音 。
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