_ 朧 の 空 の 行 く 末 。 ページ16
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興味なんて、なかった。
関東から関西に来た、姫宮A。
俺からしてみては、どうでも良かったんや。
メンバーになるとはいえ、別にそんな干渉する必要は無いと思っていた。
大ちゃんたちとは違って、認めないとかの感情も無いし
大橋くんと龍太くんみたいに歓迎するという感情も無い。
別にどうでもいいや、って。
俺は、大ちゃんが反対してるみたいだったからそれに乗っかっただけ。
これで辞めるならそこまでの人だろうし。
そんなに経たないうちに辞めるんだろうな、って思いながら。
でも___
実際は違った。
この関西の中で1番踊れていて、
誰よりも早く来て、遅く残って練習。
誰もが見惚れるような、そんなダンス。
何を言われても何されてもめげずに、
ただただ日々のスケジュールをこなしていった。
そんな姫宮ちゃんに、俺はだんだんと興味を持ち始めとった。
レッスン終わりに1人だけ残って練習しているのを見た、あの日から。
声を掛ける勇気なんかないのに、気付いたら目で追っていて。
大ちゃんたちが姫宮ちゃんのことを言っているのも相まって余計に話しかけずらかった。
あんなに努力して、一生懸命ここで頑張ろうとしてるのに…
そうは思っても口には出せなかった。
だけど昨日、俺は彼女に話しかけんとあかんという使命感にかられた。
ジーコと姫宮ちゃんの会話を聞いて、な。
最近ジーコへの注意は多かった。
日に日に増えるジーコの注意の数に、俺は心配しとった。
自分が言える立場では無いかもしれへんけど…
何かを諦めているかのようなジーコに俺はどうしたらいいか分からず、悩んでいた。
それなのに、あの子はそんなジーコを笑顔にさせていた。
大ちゃんに断りを入れて、レッスンスタジオに忘れ物をして取りに行ったんだ。
その時に見た、2人の楽しそうな顔。
そのスタジオに、2人の声が響く。
ああ、俺ももう少し早く声をかければ良かったなって後悔した。
俺は忘れ物なんて知らないフリをしてそのままスタジオを後にした。
大西「 大ちゃんごめん!お待たせ〜 」
西畑「 おお!遅かったなあ、流星〜 」
大西「 ごめんやん!ちょっと見つからんくてさー…許してくれん? 」
西畑「 ええよ!流星可愛ええから許したるわ! 」
心のモヤはとけないまま、俺らは帰路に着いた。
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