_ 夜 空 に 輝 く 一 等 星 の よ う に 。 ページ17
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あの時に見た、ジーコのここ最近でいちばんの笑顔。
俺は悩んでばかりでジーコに声を掛けることさえ迷っていたのに。
普通に声掛ければ良かったんや、と今気付く。
彼女はどうも目が離せない程、人を惹きつける力があるようだ。
大西「 俺もその一人、ということやねんな… 」
気付いたら目で追っていた。
" 姫宮「 向井さんは向井さんでしょ! 」 "
彼女はそうきっぱりと言っていた。
つまりそれは、彼女はジーコのことをしっかり見ていたということ。
焦ってるって、真正面から伝えていた。
自分がジーコから良く思われてないっていうのを知っていたはずなのに。
今日彼女がジーコに声を掛けたのはきっと彼女なりの優しさ。
包容力があり、居心地の良いと感じしまうその空間。
俺は見て居られなくなってスタジオを引き返した。
ジーコが笑っていたことに安堵すると同時にこの心に引っ掛かりを覚える。
俺の方が姫宮ちゃんのこと知ってるのに…
え、??
俺は…もしかして、
この心のモヤモヤはそういう事だったんや…
やっぱり姫宮ちゃんの人を惹きつける力は尋常じゃない。
この心にとけない気持ちに名を付けるとしたら…
「 恋 」
ふっと腑に落ちて、俺はようやく自分の気持ちを理解した。
大ちゃんたちがどうの言ってる場合ではない。
俺はこの日決意した。
明日から彼女に声を掛ける、と。
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次の日。
大西「 なぁなぁ、姫宮ちゃん 」
俺はレッスンスタジオに着いてすぐ、姫宮ちゃんを見つけた。
やっぱり朝早く来る姫宮ちゃん。
今日は俺が二番目。
そう声を掛けると驚いた顔で俺を見つめる姫宮ちゃん。
姫宮「 ん、え、大西さんおはようございます! 」
大西「 んはっ、おはよう! 」
ちょっと戸惑いつつも返してくれる姫宮ちゃん。
大西「 あんなぁ、俺、ずっと姫宮ちゃんのこと見ててん。姫宮ちゃん凄いなぁ 」
今日も早いし、と笑って頭を撫でてみると、
姫宮「 え、あ、 ありがとうございます! 」
と、少し照れた様子で応えてくれた。
大西「 俺の事流星って呼んでくれん?てか敬語も堅苦しいからやめてやぁ!! 」
姫宮「 えっ、え、りゅ、流星くん、?? 」
大西「 別に呼び捨てでいいんやけどなあ… 」
彼女は昨日の夜空の綺麗に月に照らされて輝く一等星のような人だ。
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