よんわ ページ5
ばたん、と勢いよく屋上の扉をあける。
(あ…いい天気)
雲ひとつない青空が、どこまでも、続いていくようで___。
「…あれ、Aちゃん」
突然呼ばれた声に、ぴくりと反応して振り返る。
「ぁ…一ノ瀬(イチノセ)くん」
彼は、あのいちのお友達の一ノ瀬くん。いちと一ノ瀬くんともう一人、長澤(ナガサワ)くんは、学校でも有名トリオ。
(たしか、いちは王道イケメン、一ノ瀬くんは可愛い系、長澤くんは無気力系…って女子が騒いでた気がする)
現実、こいつらイメージと全然違うのにね。
「なになにー、Aちゃんってばまたからかわれたのー?」
「うるっさいな…あんただってその一人のくせにね」
「あは、まーね。てかAちゃん僕のこと君づけのくせして、あんたとかいうよね」
「別に、呼び方にこだわりないし。」
冷めてるなぁー、なんて聞こえないフリ。
「…__太一のこと、ホントに何とも思ってないの?」
それは、いつもと違う真剣な眼差し。
(…うん、そうだよ)
「…だって、ただの幼なじみじゃん。」
「そう思ってるのは、Aちゃんだけなんじゃないの?」
「っ、それは…」
いつのまにやら近づいてくる一ノ瀬くんに、壁際まで追い詰められる。
「…じゃあ、俺でもいいじゃん」
「…_____は」
え、いまこいつなんていった?てかおれ?え、ぼくじゃなくておれ?
思考回路がぐるぐるの私に、くすっと笑って弱めのデコピン。
「ったぁー!」
「やーい、引っ掛かったー」
「このやろ…!」
やっぱ、最低!
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作者名:りーふ* | 作成日時:2015年8月13日 21時