【BTS】ある日、友人の変な噂を耳にした。

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『あっ、も、もしもし……』



慌てて飛び出た。


口から心臓が出る勢いだった。





今私は塾に行っていると言う設定なわけである。





TH「あ、A？」


『う、うん』



TH「ごめんね、暇だから掛けちゃった。塾大丈夫？」


『全然っ、その、休み時間だったから』




TH「そっかぁ。お疲れ様。」




どうやらバレては居ないらしい。



適当な事をベラベラ薄っぺらく話していると、テヒョンが話をしだした。





TH「最近変だけど、どうかしたの？」





身体が飛び跳ねた。


へっ、変って。確かに最近挙動不審気味だけれど。
テヒョンにすら気が付かれた。





『そ、そんな事ないよ。普通だって』


TH「なんで俺には話してくれないの？ねぇ、俺ら友達だっつったじゃん」

『そ、そう言う事じゃなくて』


TH「じゃあなんなの？」





は、話せねえよ。話せるわけないよ！！！


…うーん。にしてもテヒョンの声が何故か立体的と言うか…声がはっきりしていると言うか。

電話にしては声がそのままそっくり…いやまぁちゃんと電話越しに声聞こえてるんだけど…






TH「まぁいいけどさ。Aも大変だし。」


へらり。そう言ったテヒョンは優しすぎるとも思う。
なんて良い人なんだ！！



『…う、うん』





さっきから相槌を打ってばかりだけれどもしょうがない。


私は塾に行ってない。と言うか今は学校の廊下である。

け、結局テヒョン居ないし。やっぱり何度考えてもデマだったと言うことがわかる。



なんだ、やっぱりテヒョンはただの良い人であっただけではないか。



そう頭の中で整理していたその時だった。




テヒョンが電話越しに「あ、そうだ」と笑った。





『どうした？』







その直後。





角を曲がった所の廊下から、コツコツと足音がした。








.









.









.









TH「なんでここに居るの？」








くくっと笑いながら出てきたのは、電話をしていたはずのテヒョンの姿で。




……え？








『……ぁ…え……え？』







身体硬直。思考停止。



ただ、冷や汗が頬を滴った。






わ、私の目の前にいるのは……、









TH「ちゃーんと答えてよ。






ねぇ、塾に居るはずのAちゃん。」









あぁ、私の人生終わった。





そう悟った水曜日の放課後だった。

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