9.トラブル ページ9
「へ〜、めっちゃ可愛いじゃん!」
「だろ?上玉だな!」
部屋に入ってきた男性二人は私を上から下まで見渡すと、ニヤニヤと笑みを浮かべる。…この人達が不審者、なんだろうか…?
「あれ?叫んだりしないんだね。もっと喚いていいんだよ?」
「まあ助けなんて来ないだろうけどね〜。」
そんなに人気のない場所なんだろうか。確かにパッと見廃墟っぽいけど、助けが来ない、なんて…。そんな場所、あり得るんだろうか?
「ッチ、つまんねーな。」
「まあいいじゃん、さっさと終わらせよーぜ。」
「そうだな。」
男性はゆっくりと私に近づいてくると制服のベストのボタンを外す。
「ちょっ…!?」
「やっと反応したね。」
「や、やめ…!」
「いい反応するじゃん。」
言葉だけの抵抗は意味を成さない。というより、抵抗にすらなっていないだろう。嫌だ、嫌だ…!怖いよ、誰か…!ギュッと目を閉じた瞬間、バァンと大音量が響き渡る。
「何だ!?」
その音はどうやら扉が開いた音の様で。扉の方からはパトカーのサイレン音。
「確保ー!!」
警官さん達が男性二人を取り押さえる。男性二人は暫く抵抗していたけど、その内諦めたのか、警官さんに連れていかれた。
私は暫く呆然とその光景を見ていた。パトカーがいなくなった後で…私に駆け寄ってきてくれる、シャークんさんが見えた。
「Aちゃん!!」
「…シャークん、さん…。」
シャークんさんは私のロープをほどくと、自分の上着を私にかけてくれた。
「ごめんね、遅くなって…。大丈夫?何もされてない?」
「はい…。…ありがとうございます…。…ごめんなさい、私…。」
「謝らないで。Aちゃんは悪くないよ。…Aちゃんが無事なら、それでいいんだ。」
そう言いながら、シャークんさんは私を抱き締める。
「…シャークん、さん?」
「ごめんね…。俺が守らなきゃいけないのに…Aちゃんを危険な目に合わせちゃって…。…困ってる人を助けたいって、そう思ってたのに…Aちゃんに怖い思いをさせちゃって…。警察失格だよ…。」
シャークんさんの声は涙混じりだった。…私が、シャークんさんを悲しませてしまったんだ…。シャークんさんは、悪くないのに…。
「そんなこと言わないでください…。シャークんさんは、ちゃんと私を心配してくれてたのに…相談しなかった私が悪いんです…。ごめんなさい…。」
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さくらもち@実況者にハマり中(プロフ) - にこさん» ありがとうございます〜!初めてのメンバー個人メインだったので不安だったのですが、お褒めいただき嬉しい限りです! (2022年1月5日 18時) (レス) id: e24fa9aac3 (このIDを非表示/違反報告)
にこ - 良すぎるって!! もう好きだ! 更新お疲れ様です! いっぱい見返します!!! (2022年1月5日 14時) (レス) @page15 id: fb825baf6d (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち@実況者にハマり中(プロフ) - もみじさん» こちらも高評価をいただけて嬉しい限りです! (2021年12月25日 13時) (レス) id: e24fa9aac3 (このIDを非表示/違反報告)
もみじ - !? 過去最高4位取ってる!?おめでとうございます!!! (2021年12月25日 8時) (レス) id: 55536975a6 (このIDを非表示/違反報告)
もみじ - 更新お疲れ様です…!!いやぁ…本当にお上手ですね…文才が素晴らしい!!!(?)これからも楽しみに待ってます! そうなんですね〜!分かりました!私はさくらもちさんについていきますよ!頑張ってください!応援してます!!! (2021年12月22日 15時) (レス) @page9 id: 55536975a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくらもち | 作成日時:2021年12月22日 1時