8.視線 ページ8
「あ、の…シャークんさん…。」
「ん?どうかした?」
最近、視線を感じる。所謂、ストーカー…そういうのなんじゃないかと疑ってるけど…。ただでさえ心配してくれてるシャークんさんに、これ以上心配をかけるのはよくないよね…。
「…食べたいお菓子とかありますか?」
「え?…うーん、そうだなぁ…。Aちゃんが作るのなら何でも美味しいだろうから、作りやすいのでいいよ。」
「そう、ですか…。」
シャークんさんと話してても心が晴れない。ずっと嫌な感情がまとわりついてくる。
「Aちゃん、なんか元気ない?」
「えっ?」
「いつもより元気なさそうに見えるから…何かあった?俺が力になれるかわからないけど、相談のるよ?」
…やっぱりシャークんさんは優しい。私の些細な変化にも気づいて、こうして優しい言葉をかけてくれる。…けど、だからこそ心配かけたくない。
「…そんなことないですよ!いつも通りです!」
「…そっか。何かあったらいつでも言ってね。相談乗るから。」
「シャークんさんは心配症ですね。大丈夫ですよー。」
視線を感じるだけだし、今のところ実害はない。なら、気にしなくていい。…なんて、能天気な思考がよくなかったんだ。
交番からの帰り道、突然口を塞がれる。防犯ブザーを鳴らそうとして、口を塞いだ男に防犯ブザーを引きちぎられる。
「っ…。」
唯一の頼みの綱である防犯ブザーに手が届かない。その内、私は意識を失ってしまった。
次に目を覚ましたのは、廃墟のような場所だった。回りには誰もおらず、人の気配もしない。…私、誘拐されたの…?何が目的で…?
まさか自分の身にこんなことが起こるとは思わなくて、まだ頭が混乱している。それでも、思ったより冷静な思考の自分に驚く。両手足はロープで拘束されていてほどけそうにない。…え、これ結構ピンチ…?
自分のおかれた状況を理解して冷や汗が流れる。どうしよう、家に帰らなければ流石に親が心配して、警察に連絡してくれるだろうけど…。ここが何処なのかわからない以上、いつ助けが来るのかもわからない。
「助けて…シャークんさん…。」
思わず彼の名前を呼んでしまう。…怖い。これから自分がどうなるのかわからない。怖いよ…。涙が滲む。…シャークんさん…。ひたすら脳内で彼の名前を呼んでいると、ガチャリとドアが開く。怖くて自分が結びつけられてる柱に寄り添う。
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さくらもち@実況者にハマり中(プロフ) - にこさん» ありがとうございます〜!初めてのメンバー個人メインだったので不安だったのですが、お褒めいただき嬉しい限りです! (2022年1月5日 18時) (レス) id: e24fa9aac3 (このIDを非表示/違反報告)
にこ - 良すぎるって!! もう好きだ! 更新お疲れ様です! いっぱい見返します!!! (2022年1月5日 14時) (レス) @page15 id: fb825baf6d (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち@実況者にハマり中(プロフ) - もみじさん» こちらも高評価をいただけて嬉しい限りです! (2021年12月25日 13時) (レス) id: e24fa9aac3 (このIDを非表示/違反報告)
もみじ - !? 過去最高4位取ってる!?おめでとうございます!!! (2021年12月25日 8時) (レス) id: 55536975a6 (このIDを非表示/違反報告)
もみじ - 更新お疲れ様です…!!いやぁ…本当にお上手ですね…文才が素晴らしい!!!(?)これからも楽しみに待ってます! そうなんですね〜!分かりました!私はさくらもちさんについていきますよ!頑張ってください!応援してます!!! (2021年12月22日 15時) (レス) @page9 id: 55536975a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくらもち | 作成日時:2021年12月22日 1時