なぜかモテるようになりまして 3

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そこからさらに待つこと数十分、コツコツと革靴の音が聞こえてもしかして佐藤君！？と思って、ドアを開けようとする前にインターホンが鳴った


「は、はい！」


慌ててドアを開けた瞬間、私の身体は誰かに抱きしめられていて、ひんやりとしたコートに思わず身体が身震いしてしまう


「さ、とうくん………？」


ギュウギュウと私をキツク抱きしめてくる佐藤君


とりあえずと佐藤君に抱きしめられながらも、何とか部屋に入れれば佐藤君はもっとキツク私を抱きしめてきた


「佐藤君」


佐藤君を抱きしめてから、そっと背中を叩いてあげる


ポンポンって、お母さんが赤ちゃんをあやしてあげるように叩いてあげれば、少し佐藤君の力が抜けた


「佐藤君、佐藤君、お疲れ様」


『疲れ、ました………』


ようやく口を開いた佐藤君

その声は普段聞く佐藤君の声とは違って、弱弱しくてそっと顔を見れば佐藤君は朝よりも疲れ切った顔をしていた


「佐藤君、ありがとう

私を守ろうとしてくれて………」


『………だったんです』


か細い声で話す佐藤君


え？と聞き返せば、まだか細い声だったけどさっきよりもほんの少しだけハッキリ話してくれた


『意地………だったんです


俺は風磨君や健人君みたいに、まだ役職もないしAさんより後輩だから力もそんなになくて………


でも、あのSNS見つけて周りの態度とか見たら絶対にAさんをここには置けないって思って………』


ポツポツ話す佐藤君


そうだ、佐藤君は責任感の強い人だ


責任感が強くて誰よりも真っすぐで、そして………


優しい人なんだ

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