【仮面ライダー電王】甘い嘘で包まれる彼女 SC

「銭湯（バス）ジャック・パニック」 ページ15

昼間からパトカーのサイレンが鳴り響き、余りにも煩くてアカルは眉をしかめる

(強盗事件か・・・良ちゃん巻き込まれてないかな？)

買い物に出掛けた幼なじみを思い浮かべ、”忘れ物”を片付ける

この”忘れ物”、実は男性客の愛理へのプレゼントなのだが肝心の愛理には忘れ物扱いだ

その愛理はコーヒーを入れるのに夢中なのか、
尾崎が指を鳴らしても、変顔しても全然反応しない

そんな尾崎にアカルは呆れ

『尾崎さんも、他のお客様も、あれ持って帰って下さい。どんなプレゼントも愛理姉さんにとっては、”忘れ物”扱いなんですから』

「アカルちゃん、そりゃないよ〜!!」

そう告げると、気にしてたのか尾崎＋aが落ち込んだ

「愛理さーん！」

急に入ってきた三浦に、尾崎達はずっこける

「愛理さん、逃げてください！」

転びながらも愛理に駆け寄り(尾崎を踏んづけ)、避難させようと手を引っ張る

「あのねえ！君のような騒がしい人はこの店に相応しくないと思うんだよなあ！」

負けじと尾崎も右腕を掴んで引っ張った

「痛いなあ、もう〜！」

両方に引っ張られ痛がる愛理を見て、アカルはハリセンを取り出す

『愛理姉さんが！』

「痛っ！」

尾崎の後頭部を叩きつけ

『痛がっているので！』

「あいてっ！」

ハリセンを勢いよく三浦に投げつける

『やめてください！』

仁王立ちするアカルに、男性客達は拍手を贈る

その威圧感ある姿に、尾崎と三浦はす、すいません！と頭を下げる

もしこの場に女性(愛理を除いて)がいたら、間違いなくアカルに惚れるだろう

「ありがとう、アカルちゃん」

愛理が礼を言った後、店の電話がなる

「はい、ミルクディッパーです・・・え、強盗の方ですか？」

「「『えっ』」」

強盗と聞いて驚く三人

(もしかして良ちゃん、人質にされたの？)

「あ、良ちゃんが・・・ご丁寧にどうもありがとうございます」

電話を切りコーヒーを煎れる愛理に、尾崎は恐る恐る問い掛ける

「良太郎君、どうかしたんですか？」

「人質になったんですって」

「「ええ!?」」

更に驚く二人を尻目に、愛理はコーヒーを煎れる準備を再開した

「愛理さん。落ち着いている場合じゃ・・・」

「あ、そうですよね」

三浦が静かにツッコむと愛理は冷蔵庫の食材を漁る

アカルはこの後の展開を予想して苦笑いする

「差し入れ作らなきゃ」

マイペースな愛理の発言に、慣れているアカル以外の人達はずっこけるのであった

「銭湯（バス）ジャック・パニック」２→←「助けた理由」

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