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「正直、飽きました。」
涼太はため息を漏らして告げた。
何もかも達観している。
目には怪しい光が宿っているような気がした。
「……分かりませんね。何故、あの人が稽古を許可したのか？ただの護衛と対戦する事に何の価値があるのか、貴方も貴方です。俺に勝って誰かから評価が貰えるとでも？」
「評価の為にやってるつもりは無いです。騎士は国の為に、街を守る為に戦う高潔な精神を持つ者こそが成る。そんな周りの目など、気にしてません。それは理想の騎士道精神ではありませんか？」
「知りませんよ、そんな事。そもそも、もう自分には関係無い世界の話です。俺は騎士じゃない。護衛ですから。俺を倒す事に執着されても困るんですよ。」
涼太はそろそろ、終わらせたいと思いつつ、相手が諦めるのを待っていたが、
「涼太、手を抜いているのかい？」
大介が練習場に姿を見せた。
涼太は視線を大介に持っていく。
「本気でやれと仰るのですか？」
「そうだよ。涼太らしく無いね。いつだって本気だったでしょう？」
「……分かりましたよ。正直、護衛以外の任務で実力を晒すつもりは無いのですが…。貴方の命令ならば、従うまで。」
涼太は腰に装着されている剣を引き抜いた。
銃や小刀は胸ポケットやジャケットの裏に隠されているがそれは出さず、剣で戦う。
「やっと、宮舘さんが俺を見てくれますか。」
「それなら、早く終わらせます。正直、今の俺の人生において騎士団長以外、どうでもいいんですから。」
そう告げると目を細め、空気が一変する。
涼太の急激な切り替えに蓮は圧倒されると同時に魅了される。
「やっぱり、宮舘さんは手強いな。」
「……さっさと終わらせます。観戦なさっている騎士団長を待たせるのは罪ですから。」
涼太は更にギアを入れる。
攻撃速度も増し、手数も増える。
涼太の本気を垣間見た蓮はその勢いに呑まれ、ぐっと堪えるしか無かった。
「ハァ…ハァ…強いなぁ、もう。」
「終わりです。さあ、戻りま…っ！」
目を見開き、涼太は思わず、後ずさった。
何故なら大介が蓮の代わりのように攻撃を仕掛けてきたのだから。
「涼太、最近は君らしく無いね。俺に攻撃されただけで動揺してさぁ。俺に地位を奪われた時みたいに狼狽えたその顔を久々に見られて俺としては満足だよ。」
「な、何故…。」
涼太は恐れ慄く。
手に握られていた剣が落ちる。
「まさか、俺に復讐するのを諦めただなんて言わないよねぇ？」
大介は耳元で囁いた。
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赤雪(プロフ) - まるさん» すみません！気付かず、作っていました。お知らせいただき、ありがとうございます！ (8月8日 20時) (
レス) id: e2d8ee24ac (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - オリ／フラ立ってますよ！💦 (8月8日 20時) (レス) id: 9d56acad26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤雪
| 作成日時：2023年8月8日 19時
