【小説版】政府未実装しか居ない本丸【刀剣乱舞募集企画】 (ページ6)

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第6話【帆凪藤四郎】※ショタコン注意ページ6

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本丸に斬田串がやって来た。審神者が懲りずに鍛刀したところいらっしゃった刀剣である。ちなみに審神者は呻き声を上げて広間の机に頭を突っ伏している。
出陣していた部隊が帰還して全員が広間に集まり、それぞれ茶を啜りながら先程の戦の反省会や次の出陣場所だの編成だの陣形だの、刀装は金が一番いいだのと話し合っていると、どこからともなく現れた丸っこい狐＿＿＿こんのすけがこう言った。

「演練に出ましょう」

えんれん、と他の刀が困惑する中、帆凪は派手にガッツポーズを決めた。

演練というのは審神者たちの数少ない交流場だ。模擬戦を通して会話をしたり戦略を交換したり、閉鎖的な本丸に常駐する審神者の清涼剤になっていることが多い。特に女性の審神者は異性に囲まれストレスが溜まりやすいのか、演練に出ている審神者の比率としては女性の方が多い。

では何故、顕現数日目でストレスもクソもない帆凪がここまで喜ぶのか。それは本当に単純で見方によっては「大丈夫かこいつ」と言いそうな理由。

「小さい子に会えるんですねっ！？」

……彼が真性の小さい子好きであったからだ。

ついさっきいらっしゃった槍の斬田串が「たのしいさにわのおしごと」を現代文に苦労しながら読み続けている最中で、非常に力の入ったガッツポーズを見た他の刀の視線に首を竦めた帆凪は物凄い速さで審神者の隣に出現したこんのすけにずんずんと詰め寄る。

「部隊編成はどうしますか！」
「取り敢えず第一部隊で出陣するのが最も安全かと」
「やった！！！」

この本丸の進軍具合はまだ維新の時代止まりなので部隊編成も特に力を入れているわけではなく、ただ単純に顕現順で第一部隊、第二部隊となっている。帆凪は本丸の三振り目。つまり第一部隊。
くるくる踊り出すまでに喜んでいる帆凪を見て、

「……帆凪様、凄い喜びようですね」
「帆凪様は、小さい子が好きだから。本丸にはまだ、短刀は二振りしか居ないでしょ」
「まあここの審神者様と同じく新人審神者の方が多いでしょうし、全て短刀部隊というのも夜戦への練度上げで多いですが」

という会話を、こんのすけと伊賀が繰り広げていた。

……そう、この本丸は出陣演練ですっかり忘れていたのだ。この本丸の刀剣は全て未実装ということに。
この後演練会場が突如現れた未実装刀剣たちに大わらわになるが、彼らはまだその事を知らない。

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