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第17話【篠村国吉】 ページ16

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椿寺から帰り、中傷軽傷の部隊員が全員しばらく休息を取った後。帆凪も真剣必殺を放った割には元気であり、本丸内を駆け回っている。あの後顕現された刀剣の名は牡丹切永鶴というらしく、大薙刀の刀剣だそうだ。
斬田串とは既に「なんか知ってる」程度の知り合いだったらしく、最近よく縁側や部屋で茶を飲んでいる姿が目撃されている。茶飲みグループが増えたおかげか茶菓子の減りが早い。おかげで厨当番として中々に腕がなる。

近頃顕現した篠村国吉と陸上戌々丸夢想はさっそく厨当番の一員になった。
帆凪は知古が顕現してさっそくどっぷりと甘え始めるかと思いきや、比率はやはり小さい子の方に傾くなど本丸の日常に変わりはない。違いといえば、夜食のカップラーメン率が大幅に減少したのと特付きの刀剣が増えたことだけだった。


「篠村叔父上ー、これから猫々子丸さんと一緒に海に行くんですけど一緒に行きませんか? 猫々子丸さんが昔津波斬ったらしくて、波で再現できないかって調査するんです」
「他所の刀に迷惑かけるなよ」
「行ってくれないんですね分かりましたこのドケチ」
「おいちょっと待て帆凪」
「わー! 鳴狐叔父上に言いつけてやるー!!」


生意気な物言いと最後の罵倒が頭にきたのかドスの効いた声を出す篠村だが、到底脇差の機動と隠蔽には叶わずまんまと逃げおおせられる。あまりのやんちゃっぷりに思わずトーハクにいるキツネを連れ回す寡黙な弟の顔を思い浮かべた。
そこにひょっこり、全身藤色のジャージを着た帆凪より小さい刀が顔を出す。


「あれー? 帆凪ちゃんここに居なかった?」


帆凪の名前を出すあたり彼が猫々子丸……なんだか忘れたが、その刀でいいのだろう。最近来たばかりの篠村は知り合いが少ない。


「帆凪はあっちの方に逃げてった。えーっと……猫々子丸ってのはお前さんであってるか?」
「うん。兄の陸上戌々丸夢想がお世話になってるね! 僕は海神猫々子丸夢叡、平安生まれの太刀だよ」
「え?」


一瞬幻聴を疑った。この体躯で、太刀。同じ刀種。

(嘘だろ……!? 俺は六尺あるぞどう見たって五尺以下じゃねぇかこの刀!)

……頭の奥で烏の名を号にいただく自称父が高笑いしたような気がした。


「あはは! 帆凪ちゃんも最初はそうやって驚いてたよ」
「あー……帆凪が”さん”付けの時点で疑っておくべきだった」
「最初は”猫々子丸くん”だったんだよ?」
「……身内が悪い」
「気にしないでって!」


*****

第18話【帆凪藤四郎】→←第16話【牡丹切永鶴】※残酷描写注意



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赤信号(プロフ) - 更新します。 (2019年4月21日 23時) (レス) id: 674c6f2783 (このIDを非表示/違反報告)
学園運営者(プロフ) - 終わりました。 (2019年3月30日 11時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
学園運営者(プロフ) - 連続で申しわけありませんが更新します。 (2019年3月30日 10時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
学園運営者(プロフ) - 終わりました。 (2019年3月10日 23時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時の政府(ニセモノ) x他8人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tekitouni  
作成日時:2019年1月23日 0時

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