第311話 唐突な決断 ページ33
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「やっと終わったー!!もう疲れた!!早く帰ろう禰豆子ちゃん!!」
「あはは。そうですね、蝶屋敷に戻って夕飯の支度をしなくっちゃ。」
『……』
「菖蒲!おんぶしてあげよっか?俺は菖蒲と違ってそれなりに力が」
『結構』
「冷たいな!?」
僅かに腫れた目元をマッサージしながら、夕焼けの空を見上げる。
亡くなった人に手を合わせて、見上げた夕空。
彼らと出会った時と同じことをしていると、ふと思った。
「どうしたんだよアヤメ?まだ泣いてんのか?」
『んーん。大丈夫だよ。俺を泣き虫キャラにするのやめてくれ』
「?」
いや、事実だから自分から泣き虫キャラになったようなものだけども。
この温かい空気感。幸せで、どこか懐かしいなぁ。
『よし、決めた。』
「ん?どうかしたのか?」
『君たちがさ、竈門家に一緒に帰ろうって言ってくれた話。』
「あぁ、荷物も片付けて、もうじき……」
『お断り、しても良い?』
にこり、と。
何か吹っ切れたように笑った。
なお、俺以外の4人は目を丸くして俺の事を凝視しているが。
「「「「……………え???」」」」
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『ただいま帰りました〜!』
「あぁ、お帰りなさい。夕飯の支度……って、どうなさったんですか」
元気に蝶屋敷に帰宅すれば、夕飯の支度をしている途中のアオイさんが迎え入れてくれた。
マジアットホームだな……いや、そうじゃなくて。
アオイさんが驚くのもわかる。
禰豆子ちゃんを除く3人が俺にベッタリくっついて離れないのだから。
かくいう禰豆子ちゃんも、俺の服の裾を掴んで放さないわけだが。
『あはは、より仲良くなりました!』
「「「「違う」」」」
『……だそうです』
「全く話が見えてこないんですが……」
ともかく、夕飯が出来ているので上がってくださいと言われ大人しく上にあがる。
あー、足には気を使ってくれるんだな。無言だけど肩貸してくれるし……にしても4人とも強情だな……
「あ、おかえりあや……、……?」
「「「菖蒲さん達、おかえ……、……?」」」
カナヲちゃん、きよすみなほちゃんもコピペかよとツッコみたくなる反応だった。
料理の前に座るとなれば流石に離れてくれたが、無言の空間がやけに痛かった。
『………あの、そんなに怒る?俺悪いことしちゃったかな……』
「……悪く、はない」
「怒ってもねェ」
「……………けど、」
「……」
まぁ、そうだよなぁ。
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リナ(プロフ) - ゆぅあ(o・ω・o)さん» 一気読みありがとうございます〜!!完結間近ですが最後までよろしくお願いします!頑張ります……! (2020年11月28日 15時) (レス) id: cb61b31578 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅあ(o・ω・o)(プロフ) - 昨日このシリーズの小説を見つけたのですが、はちゃめちゃに面白くて今日読破しました!これからも頑張ってください!!! (2020年11月28日 10時) (レス) id: f45915f976 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リナ | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2020年8月29日 14時