第118話 問いかける ページ25
「ならない」
「見れば解る、お前の強さ。柱だな?」
「その闘気、練り上げられている。
会話に耳を傾けて、呼吸をする。
たったそれだけの事に全てを注いでいる。
刀を握れない。力を使えない。たった一撃で、上弦の攻撃を一度受けただけで。
「俺は炎柱 煉獄杏寿郎だ」
「俺は猗窩座。杏寿郎 なぜお前が
「人間だからだ。老いるからだ。死ぬからだ。」
「鬼になろう、杏寿郎。そうすれば、百年でも二百年でも鍛錬し続けられる。強くなれる。」
……動け。
早く、俺の身体、動けよ。
血が止まらない、呼吸ですら間に合わない。
頭がグラグラする。こんな、……こんなことで。
「老いることも、死ぬことも、人間という儚い生き物の美しさだ。」
『……っ、』
「老いるからこそ、死ぬからこそ、堪らなく愛おしく、尊いのだ。強さというものは、肉体に対してのみ使う言葉ではない。」
「この少年は弱くない。侮辱するな。」
「……何度でも言おう。君と俺とでは価値基準が違う。俺は如何なることがあろうとも、鬼にならない。」
「……そうか」
加勢しなければ。
刀を使っての加勢が無理なら、せめてこの力で。
認めてもらえた、誰かを守るために使うべきこの力で。
『(……早く、早く…ッ)』
「
「鬼にならないなら殺す。」
「______壱ノ型
二人の技が交わる。
目で追うことすら困難だ。
「今まで殺してきた柱たちに炎はいなかったな!そして俺の誘いに頷く者もなかった!なぜだろうな?同じく武の道を極める者として理解しかねる!選ばれた者しか鬼にはなれないというのに!」
「素晴らしき才能を持つ者が醜く衰えてゆく!俺はつらい!耐えられない!死んでくれ、杏寿郎!若く強いまま!!」
「破壊殺______
「肆ノ型______
鬼になることが正しいと言うのか。
強くあるためなら、人であることをやめろと。
なら兄は弱かったのか?無様だったのか?
刀を手に取ろうと動いた炭治郎に、すかさず煉獄さんが声を張る。
「動くな!傷が開いたら致命傷になるぞ!待機命令!!」
…………なら、鬼になることを選んだ父は、賢明だったのか?
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リナ(プロフ) - モノクロさん» コメントありがとうございます!!泣いていただけたら本望です!()ギャグ混じえつつ急にシリアスぶっ込みますので温度差にお気をつけください!そして夜に寝ましょう!不規則生活!!() (2019年10月28日 10時) (レス) id: bdf7177f23 (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - こんなん…泣く、泣いてしまう(号泣)菖蒲くんもあやめくんも大好きですなんなら全員好きですけどねッ!!今後の展開が楽しみで昼しか寝れないなぁ!← (2019年10月28日 1時) (レス) id: 6f839a2af7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リナ | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2019年10月16日 17時