第96話 2人だけの約束 ページ3
❁⃘*.゚
「菖蒲みたいな歳の近い人に頭を撫でられることってあんまりないな……でもどうしてだろう。凄く安心する」
『エッ、そう?なんだろ……照れる……』
真ん丸な目をこちらに向けてそう呟いた彼に、照れ笑いを見せる。
まさか安心するなんて言われるとは思わなかった。
「菖蒲からは、すごく大人びた匂いがするんだ。」
『おう……大人びた匂い、ね』
「俺よりも もっと歳の離れた人みたいな、貫禄……は無いけど、そうだ、安心感みたいな…」
『今サラッと貫禄無いって言った?嘘でしょ?』
そういうことじゃないんだ、となんとか撤回しようとする彼に笑いかけて(引き攣っていたかも)、俺は空を見上げた。
流れる雲に時折覆われる月は、雲の隙間から光を照らし続けている。
『よし。じゃあ、2人の時だけさ。炭治郎のお兄ちゃんでいてもいい?』
「俺の、お兄ちゃん??」
『実際には違うけどね?今みたいに弱音を吐ける相手。もちろん他のみんなにもじゃんじゃん弱音を吐いちゃってほしいんだけど!…でも、言えないことってあるでしょ?』
そう言って首を傾ければ、彼は目を丸くした。
はは、驚いてやがるぜ。……何のノリだこれ。
『俺と2人の時は、言いづらいことも言う。貫禄が無いとかも言っちゃっていいから。約束。』
彼の前に小指を突き出す。
躊躇いがちに伸ばした小指を、無理矢理絡ませた。
変な意味ではない。指切りげんまんである。
「なら菖蒲も、俺と2人の時は弱音を吐いてくれ。」
優しい笑顔。炭治郎お兄ちゃん。
……ただ申し訳ないのは、俺に関しては案外勢いで弱音を吐きまくりなことだった。
❁⃘*.゚
数日後
『おー、やってるやってる。相変わらず仲良いなー……完全に俺 従兄弟ポジ……ん?』
今日も今日とて楸さんの地獄の訓練をして、休憩にと辺りを歩いていれば訓練をしている3人を見かけた(超うるさい)。
それはいつも通りなのだが、それを遠くから見てぽつんと立っている女の子を見かけて立ち止まる。
『カナヲちゃん、だよね?こんにちは』
「……」
3人に向いていた視線が、こちらへと向けられる。
一瞬驚いたような顔をしていた気がするが、すぐに笑顔へと変わる。……返事はない。
『あ、あの3人ほんと仲良いよね〜。遠慮が無さすぎて、俺でもたまに話しかけづらい時あるよ』
「……」
『そういえばカナヲちゃんってすっごく強いんだよね?しのぶさんの継子?だっけ?』
「……」
……え、泣いていい??
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リナ(プロフ) - モノクロさん» コメントありがとうございます!!泣いていただけたら本望です!()ギャグ混じえつつ急にシリアスぶっ込みますので温度差にお気をつけください!そして夜に寝ましょう!不規則生活!!() (2019年10月28日 10時) (レス) id: bdf7177f23 (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - こんなん…泣く、泣いてしまう(号泣)菖蒲くんもあやめくんも大好きですなんなら全員好きですけどねッ!!今後の展開が楽しみで昼しか寝れないなぁ!← (2019年10月28日 1時) (レス) id: 6f839a2af7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リナ | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2019年10月16日 17時