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崎原side
私は手の甲で涙を拭った。
泣いてちゃだめだ。
お父さんに研究を辞めさせる。
その為にここに来たんだから。
今、お父様は抑えられてるから、まともに話せるはず。
崎「お父様…否、お父さん。
研究やめてよ。
なんでこんな何の利益も出ない事をするの?
もしこれでこのまま実行して、藍ちゃんが死んじゃったら、お父さん殺人犯になっちゃうんだよ?
今、お父さんは生かす研究じゃない。
殺す研究をしてるんだ。
私もお母さんも、そんな研究してるお父さんのこと嫌いだよ。
今の研究辞めて、前やってた研究進めてよ。
私は前の研究してたお父さんの方が好きだった!」
お父さんは唸る。
崎父「__さい」
崎父「お__に____かる」
掠れた声で何かを言うお父さん。
それまでお父さんを抑えていた黒木君を飛ばし、私に殴りかかってくる。
怖い…
目の前まで来たお父さんを見、もうダメだと目を瞑り歯を食いしばる。
やめて…
私に拳は降りてこなかった。
見ると、何処からか出てきた七鬼君がお父さんをとめ、乱闘になりかけていた。
若武君も参戦し、後ろを見ると、美門君がお母さんの遺体を抱え、上杉君が黒木君のフォローに入っていた。
小「僕、アーヤ呼んでくる。」
そう言って小塚君は走り出した。
美「片割れに言われたんだ。
もし崎原の父さんが暴れ出したら、大怪我にならない程度に押さえつけてってさ。
でもあれ見てよ。」
そう言って美門君が乱闘中の皆を指差す。
お父さんの方が優勢に見えた。
…きっと怒り狂って、有り得ないような力が出てるんだ。
美「明らかに向こうが優勢だろ。
そういう時はアーヤを呼んでって言われた。」
そっか。それで小塚君が呼びに行ったんだね。
上杉君が黒木君に肩を貸して戻って来る。
何とか無事、って感じだった。
上「でも最終的には説得しないといけない。
しかも、説得出来んのは、崎原、お前だけだ。」
え、なんで?
黒「俺と若武が途中説得に入っただろ。
だけど、殆ど雑音にしか聞こえてないはずだ。
だけど崎原、君の声は聞き入れている。
裏を返せば、君の声しか聞こえてないんだよ。
だから崎原、君しか説得できる人はいない。」
そっ、か。
お父さんに、私の姿はちゃんと映ってるんだね。
美「行ってこい、崎原。」
私は乱闘中の皆の方を向いた。
崎「うん。ありがとう。」
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りぃあ♪#(プロフ) - 未麗さん» わああありがとうございます!作品がまだ生きていることが嬉しいです…笑 (2022年6月20日 0時) (レス) id: f0d7ca6b29 (このIDを非表示/違反報告)
未麗 - 藍ちゃん可愛かったです。あ、あとあと作者様の想像力がすごかったです‼ (2022年3月27日 10時) (レス) @page21 id: 1aa17b468f (このIDを非表示/違反報告)
りぃあ♪# - 華菜原 舞衣さん» ありがとうございます!そうですりぃなさんです!誤字の指摘、ありがとうございます。読んでくださりありがとうございました! (2020年8月24日 16時) (レス) id: 77648adcbf (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - すっごく、おもしろかったですっ!あの、かなり前のことなのですが、あなたの名前の一文字違いって、りぃなさんじゃないですか?まちがってたら、すみません。あと、パート2の、50話あたりの誤字です。気ずく→気づく、三ツ矢→三ツ谷、です。サイダーです、それじゃ (2020年8月21日 14時) (レス) id: daa172df0e (このIDを非表示/違反報告)
りぃあ♪# - 夜桜杏奈さん» ありがとう!じゃあ杏ちゃんって呼ぶね!今度杏ちゃんの作品にもお邪魔します(´˘`*)改めて、よろしくね! (2020年4月11日 21時) (レス) id: 77648adcbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りぃあ♪# | 作成日時:2020年1月7日 20時