第４話 ページ4
「ん……」
目を開けると、目の前の窓のカーテンが閉められていた。日が暮れたということかな。そして自分に毛布が掛けられていることに気がつく。シロナがしてくれたのかな。
「◎♭＃△◆▲▼」
シロナが声をかけてきた。起きたの？って言っているのかな。
私が起きたのを確認すると、シロナはキッチンに向かって何か準備を始めた。
電子レンジが動くような音がして、コンロに火が着く音がして、それから少しずつテーブルに惣菜類が並べられていく。これは日中の買い物で途中買ったものだ。そういえばコロッケにするか、唐揚げにするか、シロナ30分くらい悩んでいたな…。優柔不断なタイプなのかな。
私も何か手伝おうと思って、キッチンに顔を出したけれど椅子に座らせられてしまった。
仕方がないので大人しく座っていると、シロナも向かい側に着席した。準備が終わったらしい。
「☆◆▲♭▼＃」
シロナがそう言ったので、それがこの世界の『いただきます』みたいなものなのかな。
確認しようにも方法が思いつかないなーと思っていると
「A」
シロナが私の名を呼んだ。
そして私を見て
「い・た・だ・き・ま・す」
一音ずつはっきりとさっきの言葉を言ってくれた。
私はゆっくり発音を思い出しながら繰り返す。
「いぃた、だぁくぃまーす？」
するとシロナはにっこり笑って
「ん、い・た・だ・き・ま・す」
もう一度ゆっくり言ってくれて、そして食べ始めた。
やっぱりこれが『いただきます』なんだ。
私はもう一度拙い『いただきます』を言ってから食事を始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
遊星(プロフ) - 璃々さん» 分かりました。更新再開お待ちしてます。更新頑張って下さい。 (2022年8月21日 23時) (
レス) id: ae3c532d92 (このIDを非表示/違反報告)
璃々(プロフ) - 遊星さん» 楽しみにしていただいて嬉しいです。ありがとうございます。毎日更新はできないかもしれませんが、なるべくがんばりますね！ (2022年8月21日 14時) (レス) id: d7238d7d87 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 更新停止になってますが大丈夫ですか？素敵な話なのに更新停止は勿体無いです。早く続き読みたいです。 (2022年8月19日 22時) (レス) @page7 id: ae3c532d92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：璃々 | 作成日時：2022年8月13日 17時
