第１７話 ページ17
ある日
「んん……」
眼が覚めると頭が重くて、全身にひどい倦怠感があった。
動けない。やっとのことで腕を動かし、手を額に当てると熱かった。
どうしようか。シロナに伝えようにも本当に動けないしな。それに今日シロナは仕事だったから、せめて起こしておかないと。
あぁ、でも、駄目だ。瞼が重たく眠気もひどい…。
ーーーーー
ふと、瞼を開くと額にひんやりしたものを感じた。
「あら、起こしちゃったわね」
「しろ…な？」
「うん。今日はゆっくり寝てて。あ、お水飲める？」
シロナは水とストローが入ったコップを差し出す。
私は少し首を曲げたりしてなんとか飲む。飲み終わるとシロナは布団を整え、私の頭を撫でる。
「最近字の勉強を始めて、きっと頑張りすぎてしまったのね。しばらくはお休みしましょう」
「うぅ……。しろな、おしことは？」
「今日は家でするわ。Aが大変な時に外出なんてしたくないもの。私のことは気にしなくていいから、ゆっくり寝ていなさい」
私のせいで…。そういえば前世でもこういうことあったな。平日に発熱して、お母さんはお仕事休んで、こうして看病してくれたっけ。どうして今思い出してしまうんだろう。
感情が押さえきれず涙が溢れてくる。
「どうしたの？どこか痛いの？」
私の涙を見てシロナが慌てる。
「わきゃんない、でも……わくんないの…」
本当はわかっている。でも本当のことを言う方がシロナを困らせてしまうから、シロナは優しいから、だから嘘をつく。だって言えないよ。
「そう…、きっと疲れているのよ。私はここにいるから、ゆっくり休んで」
そうやって優しく話してくれることも、全てを包み込んでくれそうな微笑みも、私を撫でてくれる大好きな手も、本当は全部私にとっては苦しいんだなんて。
言えないよ…。
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遊星(プロフ) - 璃々さん» 分かりました。更新再開お待ちしてます。更新頑張って下さい。 (2022年8月21日 23時) (
レス) id: ae3c532d92 (このIDを非表示/違反報告)
璃々(プロフ) - 遊星さん» 楽しみにしていただいて嬉しいです。ありがとうございます。毎日更新はできないかもしれませんが、なるべくがんばりますね！ (2022年8月21日 14時) (レス) id: d7238d7d87 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 更新停止になってますが大丈夫ですか？素敵な話なのに更新停止は勿体無いです。早く続き読みたいです。 (2022年8月19日 22時) (レス) @page7 id: ae3c532d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃々 | 作成日時：2022年8月13日 17時
