第１５話 ページ15
「えっと…、りょー、きくぅの、おーは、ごぉーよ？」
「リョウ、キクノ、オーバ、ゴヨウ、ね」
「うぅ……むすかしぃ」
「大丈夫よ」
只今車で移動中。
今日はシロナのポケモンリーグという仕事に付いていくことになった。一緒に行くにあたって、四天王という、シロナにバトルを挑戦するために倒さなければいけない人たちにも会うことになったので、予め名前を教えてもらっていた。人名は発音が特に難しい。
赤ちゃんならともかく、私くらいの見た目ではちゃんと言えないと恥ずかしいよね。失礼にあたるし。
シロナは何度も教えてくれるけれど、私は内心、少し心苦しく思う。
「さ、着いたわ」
車から降りて関係者専用と思われる扉から建物内へ入る。大きなドームだ。野球場みたいな？
警備員の人が不思議そうに私を見たが、シロナは「私の妹よ」と言うとあっさり通した。
バレたらどうするのと聞いたが、「妹は元からいるし、1人が2人になったってどうにかなるわ」と言った。妹いるのか、と思ったけど、いやどうにかなるのか。
それでもシロナの妹になれるならなんでもいいか、とご機嫌になる。
中を少し歩くととある部屋に着いた。扉を開けると中には4人の男女がいた。この人たちが四天王かな。
「ん？その子だれ？」
緑色の髪の男の子が私を見てシロナに聞く。
「この子はA。この前言った私の妹。」
「にされてしまった哀れな子羊、と」
「ちょっとゴヨウなんてこと言うのよ」
シロナが反論する。ここでも妹って言ってたのか。
私がぼーっと立っているとおばあさんが話しかけてきた。
「初めまして、Aちゃんだったかしら。シロナから聞いているわ。私はキクノよ。こっちにいらっしゃい、今お茶入れてあげるからね」
優しそうなおばあちゃんだ。
シロナにも誘導されて私はソファに座る。するとキクノさんがお茶やお菓子を並べてくれた。
「なんか多くない？」
緑色髪の男の子が言う。
「孫が来たような感覚なんじゃないのか」
赤髪の人が言う。
「お饅頭もあるからね、ゆっくりしておいき」
「あ、あぃりがと、です」
「ちょっとキクノ、あまりAを甘やかしちゃダメよ」
シロナがそれ言うの。私は可笑しくてふふふと笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
遊星(プロフ) - 璃々さん» 分かりました。更新再開お待ちしてます。更新頑張って下さい。 (2022年8月21日 23時) (
レス) id: ae3c532d92 (このIDを非表示/違反報告)
璃々(プロフ) - 遊星さん» 楽しみにしていただいて嬉しいです。ありがとうございます。毎日更新はできないかもしれませんが、なるべくがんばりますね！ (2022年8月21日 14時) (レス) id: d7238d7d87 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 更新停止になってますが大丈夫ですか？素敵な話なのに更新停止は勿体無いです。早く続き読みたいです。 (2022年8月19日 22時) (レス) @page7 id: ae3c532d92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：璃々 | 作成日時：2022年8月13日 17時
