第１２話 ページ12
ぱたぱたと、先ほどシロナがいたあたりまで小走りで行く。本を手に取りぱらぱらとページをめくっているシロナの真横に抱きつく。
「A？どうしたの？」
シロナは小声で少し驚いた様子を見せた。まぁ無言で突然抱きつかれたらそうなるだろう。
私は顔を若干シロナに埋めたまま、同じく小声で言う。
「へなぃといた」
「変な人？」
私はうん、と頷く。本を取ってもらったけれどそもそも頼んでないし。突然背後に立っているのだから変な人だ！
「そう…、でも気になる本は見つかったのね。ふむ、きのみ図鑑にしたのね」
シロナは一瞬表情を曇らせたが、私が手に持っていた本を見てそう言った。
そうか、これはきのみ図鑑だったのか。きのみに特化した図鑑なんてマニアックな。選んだの自分だけど。
シロナは何を読んでいるのか聞こうとしたとき、コツと靴が鳴る音と男の人の声がした。
「シロナさん？」
「あら…久しぶりね。珍しいじゃない、あなたが他地方の図書館なんて」
声の主を見るとさっきの人だ！シロナの知り合いだったのか。
「ちょっと調べたいことがありまして…。その子はあなたの知り合いだったんですね」
「ということは、さっきAが言っていた"変な人"って」
「くぉのひと」
「え、変な人？」
「不審者ではないけれど、ある意味的は得ているわね」
「そう思われているとは…」
男の人はショックを受けているように見えた。
ごめんなさい、持ち前の人見知りのせいです。
「A、この人はダイゴくん。石が好き過ぎるちょっと変な人かもしれないけれど、怖い人じゃないから安心して」
「今さらっと失礼なこと言われたような…」
「あら？気のせいよ。
この子はA。今は訳あって一緒に暮らしているのよ」
「まぁいいか。
はじめましてAちゃん、僕はダイゴ。さっきは驚かせてごめんね」
優しそうな人だな。全体の雰囲気が柔らかい。えと、なんだっけ…だ、だぃ？
私はシロナの服を軽くひっぱる。
「だ？」
「ん？あぁ、そう。だ・い・ご」
「だ、いぃ、ご？」
「そう、上手よ」
シロナはにっこり笑った。
ダイゴさんね。発音難しいなぁ。
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遊星(プロフ) - 璃々さん» 分かりました。更新再開お待ちしてます。更新頑張って下さい。 (2022年8月21日 23時) (
レス) id: ae3c532d92 (このIDを非表示/違反報告)
璃々(プロフ) - 遊星さん» 楽しみにしていただいて嬉しいです。ありがとうございます。毎日更新はできないかもしれませんが、なるべくがんばりますね！ (2022年8月21日 14時) (レス) id: d7238d7d87 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 更新停止になってますが大丈夫ですか？素敵な話なのに更新停止は勿体無いです。早く続き読みたいです。 (2022年8月19日 22時) (レス) @page7 id: ae3c532d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃々 | 作成日時：2022年8月13日 17時
