第１１話 ページ11
翌日。
せっかくだからと、私は鏡の前で髪を結う。両サイド三つ編みをしてからハーフアップに。
「あら、可愛いわね」
ちょうど終わった頃にシロナが来た。
「Aは手先が器用ね。そうだ、ちょっと待ってて」
そう言うと一度どこかへ行った。戻ってくると何かを私の髪の結び目あたりにつけてくれた。シロナは手鏡を使って私にも見えるように目の前の鏡に写してくれた。
白い花柄のバレッタだ。
「似合ってるわ。今日のワンピースともぴったりね。
買ったはいいけれど、なかなか使う機会がなかったのよ、これ。だからAにあげるわ」
「そなの？うれしい。あぃりがと、シロナ」
私が笑顔で礼を言うと、「ああ、もう可愛いわね！」とシロナは言って後ろからハグしてきた。私はちょっと照れくさいけれど嬉しいので顔が思わずにやけてしまう。
図書館へは車に乗って向かった。道中いろんなものが見えた。ポケモンと人が一緒にいるところを見ると本当に共存しているんだなと思う。
暫くすると古風な立派な建物が見えて、車が止まった。これが図書館かな。
シロナに連れられて中に入るとたくさんの本が並んでいた。訪れた人たちは思い思いに本を読んでいる。前の世界とはあまり変わらない様子でなんだか安心した。
「私はここら辺にいるから、Aも好きな本を読んでみるといいわ」
私は頷いてとりあえず一通り回ってみる。それから適当な本を取り出してはパラパラとめくり、読めそうか駄目か判断する。
ダメだ。普通の本ではまだまだ読めそうにない。仕方がないから子ども向けの本にしようかな。そっちならまだ字も少ないし絵もたくさんありそうだからなんとか読めそう。いっそのこと絵本でもいいのかな。
そう思って移動しようとしたとき、ふと上の方に気になる表紙の本が見えた。なんだろ、植物の本かな。
よいしょ、と背伸びをして取ろうとしてみるが、届きそうで届かない。あと…もう…ちょっとっ！
と、突然横からひょいと手が伸びてきて、取ろうとしていた本が取られた。
私は突然のことで驚いてその手の主を見た。
その人は私の左後ろに立っていた。なんかちょっと派手めのスーツ着た男の人。
その人は私に取った本を差し出して言った。
「どうぞ」
どうぞ…？取ってくれたってことだよね。シロナ以外の人と話したことないから緊張する。しかも男の人！
だんだんテンパってきて、本をただ受け取り、私はシロナの元へ逃げた。
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遊星(プロフ) - 璃々さん» 分かりました。更新再開お待ちしてます。更新頑張って下さい。 (2022年8月21日 23時) (
レス) id: ae3c532d92 (このIDを非表示/違反報告)
璃々(プロフ) - 遊星さん» 楽しみにしていただいて嬉しいです。ありがとうございます。毎日更新はできないかもしれませんが、なるべくがんばりますね！ (2022年8月21日 14時) (レス) id: d7238d7d87 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 更新停止になってますが大丈夫ですか？素敵な話なのに更新停止は勿体無いです。早く続き読みたいです。 (2022年8月19日 22時) (レス) @page7 id: ae3c532d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃々 | 作成日時：2022年8月13日 17時
