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治くんと一緒に下校をしていれば、
高校から少し離れたとことで、ふと嫌な気配を感じた。
いつも、このあたりで、後をつけてくる現場だから、
思わず体が強張って。
ちらり、と後ろのほうを確認する。
(ーーっ、やっぱりいる。今朝と同じ恰好…)
どくん、と心臓が嫌な音を立てた。
怖い、という感情が徐々に体を支配していく。
ふいに、治くんが、私の手をふわりと握った。
『……っ?』
「手、繋ごか。うしろの奴やろ?いつもAちゃんをつけてる奴って」
治くんが、静かな声で私に尋ねたから、
私はこくりと頷く。
「せやったら、見せつけたろ。俺が彼氏や、って」
治くんの真剣な低い声に、どきん、と心臓が音を立てる。
繋いだ手から彼の温もりが伝わってきて、強張っていた体に安心感が戻ってくる。
「な、このままデートせん?美味しいパフェあるとこあんねん。行こ?」
こくり、と頷けば、治くんは嬉しそうに顔を緩ませた。
ゆるゆる、と私の心がほぐれていく。
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www - 超面白かったです‼次もお願いします (2022年5月3日 22時) (レス) @page34 id: e922a09c70 (このIDを非表示/違反報告)
えん(プロフ) - 蜂蜜林檎飴。さん» わわ!ありがとうございます!めっちゃ嬉しいです!!!そんな嬉しいこと言ってくれる蜂蜜林檎飴さんのほうが神ですよ??蜂蜜林檎飴さんの赤木さんの作品楽しみにしてます♡(たくさん稲荷崎語っていきましょう🔥) (2021年10月14日 9時) (レス) id: aadfabd78a (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜林檎飴。 - コメントありがとうございました!そしての作品好きです!やばいです!カッコよすぎてどうにかなりそう、えんさんまじ神です!✨襲ってもいいでs((( 更新頑張ってください!応援してます! (2021年10月13日 10時) (レス) id: ab0225726a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えん | 作成日時:2021年9月9日 9時